事業構想図と人生鳥瞰図を用いた人物論

オムニバス授業による「ビジネスモデル論1」の私の担当は2回あり、「ビジネスモデルと人的資源管理」というテーマで講義をしている。


先週の初回は「後藤新平」を取り上げたが、今週は「飯田亮・南部靖之柳井正」を取り上げた。水曜日の朝8時50分から10時20分までの一時限目の授業だが、受講者は多い。


いうまでもなく飯田さんはセコム、南部さんはパソナ、柳井さんはユニクロをそれぞれ成功させた現代のヒーローであるが、彼等の事業のビジネスモデルとライフモデルを図解を用いて明らかにするという趣向である。分析の武器としたのは事業構想図と人生鳥瞰図という2つの図である。


日経ベンチャーという雑誌で2004年に経営者をインタビューする企画があり、「図解・久恒啓一の名経営者解剖論」というテーマで6回ほどの連載をしたことがある。このときの材料を使った。


「学問とはモデル形成のことだ。モデルは図に表すことができる。新しい図が描けたということは、新たな創造ができたということだ」

これは私が師匠と仰ぐ梅棹忠夫先生の言葉である。国立民族学博物館に訪ねた折に、私のやっている図解をどう評価されますか、という質問をしたときの答えである。

その後この言葉に勇気を得て、様々な分野に図解を適用している。

「世界の名著」の図解もその一環だが、近々「日本経済」を分析した書物刊行の予定もある。



今回の2回の講義は、具体的な人物に焦点をあてて、事業構想とビジネスモデルを論じるということだったが、私自身、通常の講義よりも楽しく自由に話をすることができた。

ビジネスモデルという現代的なテーマを、人物論と絡め図解を用いて本質をあぶりだすという作業は珍しいアプローチとなって、学生達も非常に興味を持った様子だ。