臼杵の石仏、宇佐神宮


臼杵の石仏(磨崖仏)。
 
平安後期から鎌倉初期にかけて彫像されたこの石仏群は60余体にも及ぶ。思っていたほどの大きさではないが、その昔、彩色されていた色の残りや木彫りのような肌合いの美しい仏像群を歩いた。平成7年に国宝に指定されている。
如来、菩薩、明王、天という位の順序、そしてそれぞれの位の中に、たとえば阿弥陀如来は智恵を担当するなどそれぞれが分野を持つという密教曼荼羅の世界が描かれている。大日如来がこの世界の中心である。
阿蘇山の噴火でできた柔らかい凝灰岩に丸彫りで彫り付けたこの仏像群が世に出たのは意外に新しい。大正二年にこの地を訪れたのは京都帝国大学教授の小川琢治博士である。この人はノーベル物理学賞湯川秀樹博士の父君。この仏像群が契機となって中国の敦煌臼杵市は友好都市となっている。
四つの石仏群の目玉が古園石仏であるが、その中心は美しい顔立ちの大日如来である。「月型の長い眉、ややつり上がった眼の抑揚のある線、伏目の表情、引きしまった口、豊かな両ほほ、ややとがった二重あご」という解説があった。色彩もわずかに残っていて、いつまでもこころに残る姿である。
子供の頃から臼杵の石仏の話は聞いていたが、ようやくみることができた。


宇佐神宮

Usa shrineと書かれているので、アメリカから抗議があったという記事を思い出した。宇佐とう地名は英語で書くとUSAとなるからだ。
私の故郷の中津の隣なので、何かにつけてこの神宮には来た記憶があるが、由緒はずっと知らなかった。この神宮は全国四万の八幡宮の総本社という格式の高い神宮で、それはこの地が邪馬台国のあった場所だったからという説もある。
1400年前の欽明天皇32年に応仁天皇のご神霊が八幡大神となって現れ、全国各地を巡幸後、この亀山にお鎮まりになったという。伊勢神宮に次ぐ我朝の太祖である。
上宮は本殿で国家守護、下宮は民衆守護で、上宮には八幡大神を祭った一の御殿、比め大神を祭った二の御殿、神宮皇后を祭った三の御殿が並んでいる。
八幡様は、強運の神様で、「何事にも推し進める事のできる神力(みちから)と精神と技術を与えてくれる神である。
強運の神とわかったので、おみくじをひいてみた。運勢は吉だった。
「ゆきくれて まよえる 野辺の ほそみちに
 さやけき 月の かげはさしけり」」
(目上の人のひきたてにより思いがけぬ幸運(さいわい)があります。心を引き立て奮発して一心につとめなさい。けれどあまり勢にまかせて心におごりを生ずると災いあり)