「逝きし世の面影」(渡辺京二)など毎日少しづつ味わって読むべき読

折に触れて少しづつ読んでいる本がある。
渡辺京二「逝きし世の面影」(平凡社)がそれである。
文庫版で600頁ある大部の書物だが、200頁ほどまでに進んだ。
江戸から明治中期くらいまでの外国人からみた日本の姿を丹念に追った労作であるが、外国人の見た日本人の詳細な描写、高い評価、賛美に心が洗われる思いがする。まさに私たちが失った「美しい国」がこの本の中にある。この本は一気に読むのは惜しい感じがあり、少しづつ味わって読むのに適していると思う。
すべてを読み終えた後に、詳しく感想を書きたい。

読みかけの本としてはドナルド・キーン渡辺崋山」(新潮社)がある。
これも日本研究者として著名なキーンの渾身の評伝であるが、興味深い記述に満ちている。
角地幸男という人が訳者として出ているから、キーン先生は英語で書いたのだろう。
一流の画家、トップクラスの蘭学者、老練な家老としての政治業績、時間を惜しみ勉励する気力などマルチ人間・渡辺崋山の生涯は魅力に満ちている。
これもいつか感想を記したい。

今から読もうと手元に置いてあるのは、立松和平の「道元禅師 上下巻)(東京書籍)である。どのような発見があるか、楽しみだ。