「文藝春秋10月号」−−健康と医療に関する4つの10箇条

2004年9月28日からこのブログを毎日書き始めたから本日で丸3年になる。
ブログへの書き込みは年一冊にまとめてあり、昨年と一昨年の今日は何をしていたか、何を考えていたかを読むことができる。それで気がついた。習慣が人生を創る。

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さて、「文藝春秋」という雑誌は、総合雑誌として「中央公論」と並ぶ双璧というイメージをずっと持ってきた。中公の方は硬派で、文春はやや軟派という印象である。二つの雑誌ともテーマに応じて読むことにしている。

創刊者の菊池寛「文藝春秋」創刊の辞で「自分で考えていることを何の気兼ねもなく自由な気持ちで言ってみたい、自分だけでなくそう思っている人のためにも文藝春秋を出すのだ」と、その思いを語っている。この雑誌は人気雑誌として実に八十有余年の歴史を刻んでいる。

文藝春秋10月号を手にした。総力特集で「最高の医療」を組んでいることもあるが、目次全体を眺めてみると、与謝野前官房長官の「ガン闘病と暖かい改革宣言」、カリスマ医師10人治療革命報告、ぼくは全身「生活習慣病」(立花隆)、百歳で現役「健康心得」10か条(日野原重明)、新・がん50人の勇気(柳田邦男)などが並んでおり、「文春」読者の高齢化の実態が透けて見えるようだ。読者の平均年齢は60代から70代になっているのではないかと感じた。

さらば「日刊ゲンダイ」、というタイトルで書いている二木啓孝(1949年生まれ)が退社の理由を語っている。忙しさにかまけて「夕刊紙記者時代に見過ごしてきたテーマ」にじっくりと取り組んでみたいという宣言である。中年の危機からの脱出である。

57歳で原因不明の激痛に襲われた作家・立花隆は、生活態度を変えて最近は一日1万歩を越さないほうが珍しいそうだ。「自分の人生の生涯アウトプット」総量が、質的にも一定の水準を保ちつつマキシムになる方向で、僕は人生を終えたい」と語っていて、共感を覚えた。

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實は、かかりつけの「良医」の持つことを勧めており、その10の条件を挙げている。
1.話をよく聞いてくれる
2.わかりやすい言葉でわかりやすく説明してくれる
3.薬や検査よりも、生活指導を重視する
4.必要な時は専門医を紹介してくれる
5.患者の家族の気持ちまで考えてくれる
6.患者が住む地域の医療や福祉をよく知っている
7.医療の限界を知っている
8.患者の痛みやつらさ、悲しみを理解し、共感してくれる
9.他の医師の意見を聞きたいという患者の希望に応じてくれる
10.ショックを与えずに真実を患者に伝えられる

医者にかかる10箇条(「ささえあい医療人権センターCOML」辻本好子代表)も紹介している。
1.伝えたいことはメモして準備
2.対話の始まりはあいさつから
3.よりよい関係づくりはあなたにも責任が
4.自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報
5.これからの見通しを聞きましょう
6.その後の変化も伝える努力を
7.大事なことはメモをとって確認
8.納得できないときは何度でも質問を
9.医療にも不確実なことや限界がある
10.治療方法を決めるのはあなたです

永六輔「いい患者になるための10個条」も紹介している。
1.お医者さまと「さま」をつけない
2.誤診・医療ミスで驚かない
3.待合室の噂話に参加しない
4.医療スタッフに見栄を張らせない
5.医療スタッフに自信を持たせない
6.おとなしい患者だと思わせない
7.簡単には告知をさせない
8.いつも笑顔で。不満な表情は見せない
9.命の終わりは考えない
10.「ご臨終です」といわれたら、死んだふりをする


95歳のスーパー現役医師・日野原重明の「健康心得」10箇条も参考になる。
1.小食
2.植物油
3.階段は一段飛びで(絶対にエスカレータには乗らない。競争する)
4.速歩
5.いつも笑顔で
6.首を回す(風呂で首を上下左右に回し、最後は耳が水面に触れるまで横に倒す)
7.息を吐ききる(うつぶせで眠ると腹式呼吸になり、いびき、肩こり、腰痛がなおる)
8.集中
9.洋服は自分で購入
10.体重、体温、血圧を計る

リンボウ先生こと林望の「長生きの遺伝子」。
 林健太郎伯父(東大総長)行年91歳
 林雄二郎(東京工大教授)91歳の今も毎日いずこかへ出勤していく、、

最後の「骸棺録」も面白い。
 小田実(75歳)胃がん
 阿久悠(70歳)尿管ガン。生涯5000曲
 琴桜(66歳) 敗血症による多臓器不全
 山口小夜子(57歳)急性肺炎
 イングマール・ベイマン(89歳)不明


他にも興味深い筆者や記事があり、文春は充実していると思った。
 




Last updated 2007/09/29 10:22:21 PM
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