中堅リーダーに向けたビジネス現場のリーダー論---「ビジネスデータ


「協働をより促進させるために大切なものは何か」という観点から、「ファシリテーションの技術」というテーマで「協働促進」についての連載を頼まれて以来はや2年たった。
今回で最終回となったが、以下は今までの全24回のテーマである。

「見晴らしのいい場所に立とう」「「説得から納得へ」「時間感覚を磨こう」「「関係をマネジメントする」「箇条書きは思考を停止させる」「ホリエモン逮捕は図の威力を示したが、、、」「不毛の会議を立て直せ」「「考える」ことの正体」「顧客の視点はなぜ大切なのか」「「方言」とどう向き合うか」「たかが手帳と言う勿れ」「作業と仕事の峻別を」「新・職人のすすめ」「性格タイプという基本ソフト(OS)で人は動く」「相談してはいけない」「キーマンはキーマンとつながっていく」「外的世界の拡大は内的世界を深化させる」「「私のキーマン・リスト」の効用」「知的な資源となる「移動力」」「すぐれた検索機能と「情報」の定義 」「凡人・凡才・平凡」「歴史と地理、そして立ち位置」「自由の拡大--カネ・ヒマ・カラダ、そしてココロ」「静的な「構造」から動的な「関係」へ」。

この連載中、「ファシリテーション」というキーワードは常に頭の中にあって、そのアンテナが拾ったテーマを書いてきた。「協働」という意味を広く取って、組織やチームが目標を達成するために、創造、変革、問題解決、合意形成などを仲間と一緒になって進めていくときの心構えを論じてきた。
結果的に、係長、マネジャー、課長、プロジェクトリーダーというレベルの中堅リーダーに向けたビジネス現場のリーダー論となったように思う。

経営の神様、P・ドラッカーはカリスマ型のリーダー論ではなく、手段としてのリーダーシップを論じている。そのポイントは「責任と信頼」である。言動の一致、一貫性ある発言などをリーダーシップの条件としている。その上で、今ビジネス現場で求められているのは、ファシリテーターという感覚で問題解決にあたっていくリーダーである。

最後に、大切なことは「自立」することと考えてみると、それは自由と自律で成り立っているように思う。この二つをセットで持っている人は、組織の中で生きることに息苦しさを感じない。自由に振舞いながら、最後の一線を越えないで組織の価値観の中に踏みとどまっている。高い成果をあげるから自由に組織の持つ資源を好きなことに使っている。しかし彼らは自らを律して限度を越えないすれすれのところまでを活動範囲としているはずだ。そういう自立型ビジネスリーダーになれるかどうかは自律心が決め手である、と言っておこう。