「図で考える人の 図解表現の技術」(日経新聞社)が丸5年で6刷に

2002年12月5日初版の著書の6刷の見本が届いた。
「図で考える人の 図解表現の技術---思考力と発想力を鍛える20講」
日本経済新聞社)である。



丸5年たってもまだ少しづつじわじわと売れているらしい。
「細く長く」という売れ方の本だ。
最近の本では、「残業はするな、前業をせよ!」も、同じく6刷だが、
こちらは1年ちょっとでそこまできた。
比較すると「前業!」の売れ方は「太く短く」」といえるかもしれない。

「図解表現の技術」は図解関係の本の中でも思い入れの強い本である。
大学の教員になって初めて大学院の講義を持ったとき、名著を題材に
図解という武器を使って独特の読み方を院生として、その本質に迫ろうと
考えて毎週取り組むということをずっと続けてみた。

この「図による輪読」(輪読図と呼んでいる)は大変にエキサイティングで
、私たちは毎週夢中になって議論を重ねた。
このやり方で最初の年(2001年度)にマネジメントの神様・ドラッカー
に1年をかけて取り組んだのが、「図で読み解く!ドラッカー理論」
(かんき出版)でこの本も版を随分と重ねている。
2年目に取り上げたのがこの本に用いたリチャード・ワーマンの
「情報選択の時代」である。

当初の目論見では、ゼミ形式で学ぶ「実況!図解塾」というコンセプトで、
図解が進化しつつ出来上がっていく過程を生々しく見せていこう
という企画だった。
内容はその線でできたのだが、タイトルは2002年5月に出版し話題になった
「図で考える人は仕事ができる」(日経)の余韻が強かったこともあって、
標記のタイトルになった。

私としては、前著の実践版としての位置づけで、いい感じに仕上がったと
気に入っている本である。以下、内容を少しあげる。

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人間とコンピュータの能力・IQテストと人間の能力・興味と学習の関係・
効果的な説明の方法・組織内のコミュニケーション・ウェブデザインの要素・
エンパワーメントの構造

米国経済を問う・集団から個人へ・新聞の社説・社会の人材像・
菊姫吟醸酒づくり・経営学は面白い・あなたの仕事

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じっくりと時間をかけた本が、丸5年経ってもまだ読者が続いて
いるのはありがたいことである。