「音読書」-----電子書籍による著作の配信へ

著作物の電子書籍配信のお願い」という文書がある出版社から届いた。

すでに発刊している書籍を、電子書籍、あるいはウェブまたはモバイル上で配信するとのことである。
電子書籍は、コンテンツプロバイダーの増加、取次店、取次代行店の増加で、以前よりも多くの読者へ配信されるようになったのがその背景にある。
出版社としては、読者の支持があった本を、電子書籍としても多くの読者に届けていきたいのだ。

「コンテンツプロバイダー」とは、売り場である書店に相当する。電子書籍の場合は「読者」は「聴者」とでも言うのだろうか。この文書の中では、ユーザーという言葉と読者という言葉があった。また、「読書」ではなく、「音読書」とでもいうことになるのだろうか。

あるコンテンツプロバイダーを覗いてみると、著者、価格、時間、製作元、出版社、出版日、ナレーター、そしてサンプルという欄があり数分間中身を聴けるようになっている。
1冊分は、3時間ほどの時間がかかる。また価格は書籍の場合とあまり変わらない。
ナレーターという項には、本を読む人の名前が記されている。サンプル版を何本か聴いてみたが、一般に早口でしゃべる傾向にある。目で読むより音読は時間がかかるのでそうなるのだろう。

クリック一つでダウンロードできるから、現金払いやカード払いよりもバリアが低いから「衝動買い」はリアル書店よりも多くなるかもしれない。

今まであまり知らなかったが、電子書籍のビジネスモデルも洗練されつつあるという印象を持った。なかなか興味深い。出版ビジネスの未来のひとつかもしれない。

febeというコンテンツプロバイダーの今週のダウンロードランキングは以下のとおり。
小説や実用書よりも、ビジネス書の方が売れ筋のようだ。

                                      • -

第1位 『大人のスピード勉強法―時間がない人の66の具体例』

第2位 『職場の法律知識を学ぶ

第3位 『なぜあの人の話に納得してしまうのか―説得力を磨く52のヒント』

第4位 『1週間は金曜日から始めなさい』

第5位 『なぜか好かれる人の話し方 なぜか嫌われる人の話し方』

第6位 『女子大生会計士の事件簿<前編>』

第7位 『原因と結果の法則』

第8位 『P.F.ドラッカー経営論第31章「「すでに起こった未来」への準備」』

第9位 『会社に行くことがツラくなったら読む本

第10位 『超速!最新日本史の流れ―原始から大政奉還まで、2時間で流れをつかむ!』