IT世界という新大陸の建国の精神を探す旅---「ウェブ時代 5つの

「ウェブ時代 5つの定理」(梅田望夫)を入手しざっと読んだ。



シリコンバレーでビジョナリーと呼ばれている影響力の強い天才たちの発する切れ味の良い言葉に接し、その意味を考える。これが梅田望夫が渡米以来16年間続けてきた勉強法だった。
このビジョナリーたちは、アップル、グーグルなどIT産業の旗手やそれを育てる目利きの投資家、天才的技術者たちである。本を読み、人と会い、インターネット上の情報を丹念に読む中で、梅田は新しい世界を築きつつある人々の世界観をあらわす言葉を膨大に収集した。

人が感銘を受ける言葉はその人を表している。
この本の中で、私自身が感銘を受けたり共感した言葉をいくつかあげてみたい。

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パラノイア(病的なまでの心配性)だけが生き残る、---アンディ・グローブ

世界がどう発展するかを観察できる職につきなさい。---ロジャー・マクナミー

好きな人と働かなければならない。---ロジャー・マクナミー

Aクラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。
Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる。------シリコンバレーの格言

政治的になるな、データを使え。---マリッサ・メイヤー(グーグルの女性副社長)

グーグルでの採用のポイント
  地頭がいいこと、実績があること、コミュニケーション能力、グーグリネスがあること

「ニューノーマル」時代における成功とは、タイムマネジメントに尽きる。
この時代における通貨は、時間なのである。---ロジャー・マクナミー

君たちの時間は限られている。
その時間を、他の誰かの人生を生きることで無駄遣いしてはいけない。
ドグマにとらわれてはいけない。
それでは他人の思考の結果とともに生きることになる。
他人の意見の雑音で、自分の内なる声を掻き消してはいけない。
最も重要なことは、君たちの心や直感に従う勇気を持つことだ。
心や直感は、君たちが本当になりたいものが何かを、
もうとうの昔に知っているものだ。
だからそれ以外のことは全て二の次でいい。---スティーブ・ジョブズ

自分がやらない限り世に起こらないことを私はやる。----ビル・ジョイ

私自身もこれからは本書を座右に置き、歳を重ねるごとに押し寄せてくる「守りに入る誘惑」に抗していきたいと思っています。----梅田望夫

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以上が私の心の琴線に触れた言葉だ。
ホームページをつくった1999年あたりから、心に沁みる格言を少しづつ集めてきた。いずれ365まで収集し、「今日の格言」として自分自身を励まそうという意図だった。
現在では400を越えるまでになったが、この格言集を眺めると自分がどんな人間かがよく見えてくる。私の場合は、本で刺激を受けた言葉、過去の日本の偉人の残した言葉などが中心となっている。こういった作業は、本物の日本人の魂に迫っているという感覚がある。

梅田望夫の場合は、世界の最先端に立つシリコンバレーで、新大陸を切り拓いている革命家たちの頭と心の中を覗く言葉をさがしてきたから、私たちはこの最先端で格闘する人たちのエネルギーや獲得した地平を垣間見ることができる。
毎日の勉強は、IT世界という新大陸の建国の精神を理解しようとする作業なのだった。