成田空港、大阪コールセンター、成田空港遺失物管理部署

ブログを毎日書いているのだが、優れた情報を発信する人々のブログも毎日読む習慣がついてきた。どの世界でも動いている人のブログは興味深いのだが、特にIT世界で活躍するブロガーの日常と情報には触発されることが多い。

今日紹介するのは、アメリカ西海岸のシリンコンバレーで仕事をし、日本と行き来するDave Takeuchiという人のブログだ。
「日本出張中−−空港に荷物を置き忘れて思うアウトソーシング業の方向性」というタイトルで、自分の体験から事業の考察を行うという内容であるが、私の古巣についてのいい話題だったので、楽しみながら読んだ。

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成田空港でターンテーブルを回ってくる荷物をPick-Upしていた際に、スーツケースはPick-Upしたのだが背広のバッグを取り忘れてそのまま都内まで来てしまった、というオチ。ショック。このままでは翌日、某超大手メーカ企業様で取締役殿以下20名を前に、今着ているJeansをはいてプレゼンをする羽目になる。。。

取り敢えず問い合わせ先を探さねばということで、財布の中をあれこれ見ると、JALのGlobal Clubのカードが出て来た。裏面に航空チケット予約の番号が書いてあったのでとりあえずここに電話してみる。電話口に出て来たオペレータの男性は、おそらくその日何十件も処理して来たであろう航空機チケット予約の話ではなく、いきなり成田空港に置いてきてしまった荷物の相談を持ちかけられて一瞬面食らったようだが、すぐに体勢を立て直して相談に乗ってくれた。

彼は、大阪のJALのコールセンターでこの電話を今受けていることを説明した後、すぐにJALの成田空港内関係部署に連絡して当方宛電話する旨約束してくれた。また、何か手違いがあった時のため、ということで彼の名前と直通の電話番号を伝えてくれた。大変気持ちの良い対応。

そして待つこと15分。携帯が鳴る。電話口に出て来たのは、JALの成田空港内遺失物関連の管理部署の女性。当方の背広バッグが成田にいる彼女の手元にきちんとあること、今晩使う必要がある荷物なのであれば、これからハイヤーを飛ばして都内の指定場所まで直接すぐ届けてくれること(無論、ハイヤー実費 1〜2万円がかかるが)、翌日のAM着でよければ宅急便(福山通運)を使ってホテルまで届けてくれること等を、てきぱきと説明してくれた。

ハイヤー飛ばしてすぐ届けます、の提案には感心しきり。それにも増して感心したのは、本件の処理に際して彼らの組織内で横の連携が見事に機能していたこと。本件と全く関係の無い窓口に問い合わせたにも関わらず、たらい回し的な扱いが一切無い完璧な対応だった。最初の電話から15分で全て片付いてしまった。翌朝、宅急便で無事荷物がHotelの部屋まで届けられたのは言うまでも無い。

ケースバイケースではあろうが、アメリカではなかなかこうは行かないことがある。そもそもコールセンターにつながる迄に、かなり待たされる。そして、やっとつながってもオペレータが自らの業務範囲以外の知識・情報を持っているケースは少なく、結果、幸運にもそのオペレータ個人に何らかのサービス精神があった場合でもイレギュラーなリクエストに実際に対応するのは難しい。オペレータは相当の確率で外部のアウトソース先の所属であろうし、そもそも当方のコールを受ける人が米国内にいるのか、という点からして怪しい。えてしてインドだったりもする。そして、たらい回し対応が始まる。

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Name: Dave Takeuchi
米国西海岸シリコンバレーにてITベンチャーへの投資業務に従事。システム開発プロマネ、商品デリバティブ取引のリスク管理ASP事業の立ち上げ、日本国内のベンチャー投資業務を経て2004年11月に人事異動に伴い渡米。ソフトウェア工学オブジェクト指向分析分野)専門。 e-mail dave.takeuchi@gmail.com