「表現の技術、文章を使うか、図解を使うか----樋口裕一(小論文の神

k-hisatune2008-06-24

NPO知的生産の技術研究会(知研)のセミナーで樋口裕一さんとの対談講演を行った。
「表現の技術、文章を使うか、図解を使うか----樋口裕一(小論文の神様)と久恒啓一(図解教の教祖)が斬り結ぶ」という企画である。事前の打ち合わせは行っていなくて、ぶっつけ本番。互いの著書はざっと見た程度だった。19時から21時までの2時間。場所は虎ノ門商工会館。参加者は40人。
司会は知研の八木哲郎会長。30分ほど互いの主張を述べ合って、その後二人で相手の論に対しての感想を述べたり、質問をする。残りの30分は会場の参加者からの質問を受ける。
樋口裕一さんは今春から多摩大学で同僚となった教授で、長年小論文の指導をしてきた。このノウハウが受験に役に立つということで高校生に多くのファンを持っていて「小論文の神様」と呼ばれている。2005年に出した「頭がいい人、悪い人の話し方」(PHP選書)は250万部を売り上げた大ベストセラーとなった。対する私は新興宗教である「図解教」を創始した教祖という役割である。
対談講演を終えて、表現やコミュニケーションという大きな山を違うルートで登ってきて互いに見晴らしがかなりよくなった地点に立っていることがわかった。思考力を身につけるというエベレスト山を中国側とチベット側から息せき切って登攀してきたが、その道は舗装され整備された道ではなく、二人とも誰も通ったことのない「けもの道」だったのだ。
会場からの質問もレベルが高く、それにも触発されて議論は広がりを持った。議論の対象となった文章は、「論理的な文章」とした。それは多くの人が日常相手にしている仕事で使う文章である。企画書、報告書、レポート、、、。司会の八木さんは最後に「本来は文章とは文芸的な文章が本道だ。仕事文、ビジネス文は地位の低い文章だ」という発言も面白く、さすがに八木さんだと感心した。
知研の会員、一般社会人、出版社の編集者、ライター、多摩大学の学部生、社会人大学院生などがいたが、終了後は二人の著作のサイン会。名刺をもらってサインをしたのだが、損害保険、電池、船舶、エディター、コンサルタント会社、商社、教育(高校の副校長)、公認会計士という名刺が集まった。
終了後は私たちを含めて運営側を中心に10人ほどでビールを飲みながらよもやま話に花が咲いた。