「ベストセラー著者が教える仕事術「速習」のツボ」に登場

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1977年に創刊された「アスキー」という雑誌は、日本のビルゲイツと呼ばれた天才・西和彦さんが始めた雑誌で、日本のコンピュータ業界では30年近くという長い間、存在感があったが、2006年にはビジネス誌として内容をリニュアルした。アスキーという会社自体が今は「スキー・メディアワークス」という名前に変わっているのだが、雑誌名も「ビジネスアスキー」にこの11月から変わった。このことはこの雑誌の創刊2号の取材を受けたときに聞いて、知的生産の技術研究会(知研)を通じて西さんと長く付き合ってきた身として、ある種の感慨を覚えた。

この新装誌面にはITやビジネス情報だけでなく、資産運用、子育て、介護などパーソナルな情報も掲載。新誌名を核に、30〜40代をターゲットとしたビジネス誌としてブランドを確立し、セミナーやイベント、月刊誌以外の発行物などを多面的に展開していくという。「仕事を楽しみ進化し続ける大人の雑誌」というキャッチで、価格は590円、発行部数は7万 5000部である。

さて、この雑誌の今回の特集の冒頭に『「仕事術」本は空前の大ブーム!ベストセラー著者らが語る、極意の数々。あなたの求めている「仕事術」はここにある!』とあるように、確かに最近は「仕事術」ブームになっていて、あらゆる種類の仕事術が書籍という形、雑誌というメディアで紹介されている。確かにここ1−2年、私にもこのジャンルの本の執筆依頼が多く、図解、時間、身体、手帳などをキーワードとした本になっている。

「仕事術の女神」勝間和代に聞く101問、というコーナーからこの特集は始まるのだが、今はどの雑誌を開いても勝間さんの記事に遭遇する。以前見たときは「知的生産の女王」と形容されていたが、今度は女神だ。確かにこの雑誌ではとてもファッショナブルな姿で登場している。この問答も本音が見えてなかなかおもしろい。

「ベストセラー著者が教える仕事術「速習のツボ」」というコーナーでは私も含めて7人が2ページづつ紹介されている。

  • 小宮一慶の「発見力」-------------「ビジネスマンのための「発見力」養成講座」の著者
  • 細谷功の「地頭力」---------------「いますぐはじめる地頭力」の著者
  • 野口悠紀雄の「超・超整理法」-----「「超・整理法」の著者
  • 久恒啓一の「図解力」-------------「図で考える人は仕事ができる」の著者
  • 奥野宣之の「100円ノート術」------「情報は1冊のノートにまとめなさい」の著者
  • 石井住枝の「トヨタ流A3書類術」-「トヨタ流 プロの仕事術」の著者
  • 泉正人の「仕組み仕事術」---------「「仕組み」整理術」の著者

「ザ・仕事術 トレンドマップ」という見開きのページでは、仕事術の流行の歴史を追っていて興味深い。1967年の「発想法」、1969年の「知的生産の技術」、1973年の「考える技術・書く技術」、1976年の「知的生活の方法」という「思考」分野の名著、そして1937年の「人を動かす」、1968年の「道をひらく」、1978年の「トヨタ式生産方式」という「会社」分野、から仕事術が分かれていく様子を整理している。「思考から「自己啓発」へ。「思考」から「企画・アイデアへ、、そして「速読」、「ツール」、「手帳」という流れ。一方、「企画・アイデア」から「図解」の流れがあり、ここに私の「仕事力を高める「図解思考術」(2003年)が位置づけられている。
「会社」からは、「社長」という流れと、「プレゼン」や「時短」という分類で、有名な本が年代順に並んでいる。

「史上初 ビジネスアスキー流 仕事術検定!」というコーナーがあり50問ほどの質問に答えていくと、仕事術が点数で判定される。40問目にこういう質問を発見。
「通勤時間「超」活用術」著者・久恒啓一は、早起きは「三文の徳」ではなく、何の徳だと表現してるか?
a 120% の徳  b 三割の徳  c 無限の徳  d 九割の徳

私の書いた本では、「三割の得」というように書いた記憶があるが、どっちだっただろう。

自分の関係した記事だけを拾い読みしたが、この企画は様々な工夫を凝らしていることがよく理解できた。他雑誌との差別化が雑誌の価値を決めるから編集者もなかなか大変だ。しかしそれが文化の幅が広がることになっていく。
この雑誌の広告が24日の日経新聞に出ていて、名前も載っていた。