13日のリレー講座、JT生命誌研究館の中村桂子館長の話。今までの講師たちとは打って変わった内容だった。
「生命誌」という視点の深さが少しわかった感じがする。この内容を書く直前にNHKで源氏物語に関する番組が流れていた。源氏物語の現代語訳に挑戦した瀬戸内寂聴、田辺聖子、橋本治、そして関係者がひっきりなしに出ていて面白かった。
偶然が数回重なると必然になる。そろそろ千年を迎えたこの物語を読まねばならない。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
以下は、レジメ。
1.人間は生きものであり自然の一部である
- 日本人にとってはあたりまえのこの感覚が科学技術文明の中で消えつつある。
- 日本列島の自然の中で生まれた日本文化を意識し「生きているを見つめ生きるを考える」ことから新しい価値を探す。
- 自然・人間・人工の関係の再考。
2.機械論的世界観から生命論的世界観へ
- 地球環境問題も人心の荒廃も根は一つ
- 合理・進歩--矛盾・複雑から生まれるダイナミズム
- 科学技術万能からの脱却
3.時間との関係を組み込んだ知---生命誌の提案
- 地球上の生き物はすべて38億年前に誕生した細胞から生まれた仲間
- 現存の生態系はいかにして生れ、どのような性質をもっているか
4.生態系の中の一つとしてヒトと文化・文明を築く人間の重ね合わせ
- 生命論的世界観から生まれ得る新しい自然学(科学)と技術
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
以下は、話の中から拾った重要なポイント。
- 機械論的世界観は機械と火の時代、生命論的世界観は生命と水の時代。
- 機械論的世界観は構造と機能の時代で、生命論的世界観は関係と歴史の時代で連続性・多様性が大事、そして循環・組み合わせ・可塑性を重視。
- 生命は38億年前に誕生。5億年前に陸上へ。ヒトは1万年前に農業を始め人口を増やし、18世紀の産業革命を起こし一気に人口が増えた。これは死に向かうカーブ。
- 生命誌(バイオヒストリー)を読み解きたい。
- 生命(生き物)は、オープンでつながりを持っている
- 自然と人間の一体化という生命論的世界観が一番進んでいるのは日本だ。水平にみると日本列島はタテ長、垂直にみると富士山から日本海溝までというように自然に恵まれている。
- 今後、大事な分野は、食料を生産する農業・水産業、住居を提供する林業、心と知を担当する教育、医療を担当する健康、水と関係する環境。