今年のクリスマス・イブは?

クリスマス・イブの日だが、新宿・紀ノ国屋書店の近くにあるニュートップスという喫茶店で、午後に二つの会合。

まず最初は、多摩大学総合研究所の松本裕一准教授から総合研究所の運営について相談を受ける。最近4年間の活動内容を詳しく聞いたが、多摩ニュータウンをフィールドとして着実にステップアップしていることがわかった。プロジェクトが増えるにつれて、組織も北矢行男所長以下、専任、客員、事務職員などしだいに充実してきている。今後の予定プロジェクトも面白いものがあり、大学本体とのシナジーが十分に期待できると思った。来年度以降の私のホームゼミの運営に関しても、地域ニーズの集積地でもある総研とその中心である松本先生と組むことは大きな実りを予感させる。また、総研と私の研究室が隣同士でもあり、今後大いに連携していこうということになった。

次は、NPO法人知的生産の技術研究会(知研)のプロジェクト会合。八木哲郎会長、秋田事務局長、近藤節夫さん、小林尚衛さんと2時間ほどの会合を持った。来年の知研としての出版プロジェクトとして、ある出版社と話が進んでいるテーマを説明し、全体構想を提示し、皆さんの意見や情報をいただいた。年末年始の間にメールで情報交換をして、企画書に仕上げ、年初に出版社と打ち合わせをする段取り。凄く面白いプロジェクトになりそうだ。この出版プロジェクトの目的は知研の次代の人材育成を兼ねているので、応援をしていきたい。
八木さんの感想を聞いて観る映画の選択をすることが多くなっている。その映画通の八木さんは、私たちと別れて一人で映画館に向かった。

夜は、近所のイタリアンレストランで激動の日々だった今年を振り返りながらワイフと食事をする。

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知研のご意見番的存在となっている近藤節夫さんは、活発に活動をしておられ、最近はよく本を出している。昭和13年生まれで、湘南高校ラグビー)、慶應経済(登山)を出て、小田急で要職をこなしながら、海外の旅を続けてきた熱血漢である。「現場」「本物」「行動」がモットー。
「新・現代海外武者修行のすすめ」(文芸社)も面かったが、11月末発刊の「停年オヤジの海外武者修行」(早稲田出版)もエネルギーにあふれた自伝である。
「読みだしたら止まらない。戦火のベトナムや71カ国訪問は、ラガーマン、山男として体力気力をつけての自信だろう。停年オヤジが旅行する際の「経験と知恵」「バランス感覚」「判断力」「社会常識」とはっきり現代の若者にない利点を、われわれ老年を代表して書いてくれている。シベリア鉄道の旅は小説を読むような感動と興奮を覚えた。とにかく面白い本だ。」、これはオビに書かれている芳野満彦さん(マッターホルン北壁日本人初の登攀者である、登山家・山岳画家)の推薦文だ。

700人ほどの規模の多摩大リレー講座で、学生たちの私語に対し、近藤さんは大きな会場の前方席から「学生!うるさい!」と振り返いざま一喝して、学生たちが驚いて静かになったことがある。一見穏やかな風貌だが、闘志溢れる先輩である。小田実小中陽太郎王貞治さん(昨日の王さんの兄さんの葬儀の話もしていただいた)らとの交友の話題も興味深い。

停年オヤジの海外武者修行

停年オヤジの海外武者修行