中村研一---小金井市立はけの森美術館

k-hisatune2009-01-25

小金井私立はけの森美術館は、2006年4月に誕生している。「はけ」とは、古多摩川が武蔵野台地を削ってできた国分寺崖線の通称で、この美術館は湧水に恵まれた豊かな緑に囲まれている。
入館の前に西洋画家・中村研一の自宅の一部を使った「カフェ」で昼食を摂った。冬なのに木々や緑を美しく、春になったら素晴らしいだろうと想像する。お客は女性同士ばかりだった。
中村は、空襲で東京・代々木のアトリエを焼失し、小金井に移り住み終生、この地で作品を描いた。

この美術館は、中村研一(1895−1967年)の作品を展示する美術館である。この画家については知識はなかった。東京美術学校卒業尾、渡仏中にサロン・ドートインヌ会員となり、帰国後は帝展、文展日展の審査員を歴任し、1950年には日本芸術院会員になるなど、日本の近代洋画壇の中心的存在として活躍した画家である。

写実、リアリズムなどを中村は生涯追求した。
「あたり前のことですが、手は動くものだ、この裸体は座っているが、立つものだ。そういう生きている人体そのものを描くことをこころがけなくてはいけません」
「人間の顔に表情がなければつまらない、絵もそれと同じだ」

繰り返し描いた婦人像、裸婦、人物、静物などを見た。裸婦の絵が多かったが、美しいといいうより、日常の姿をそのまま写し取ったという絵である。