富田勲先生と行く日本一のそばと大吟醸を楽しむ会(秩父)

k-hisatune2009-02-15

シンセサイザー富田勲先生と行く恒例のそばと大吟醸を楽しむ会。ほぼ毎年開催しており、もうすぐ20年になる会である。
13時に西武新宿線池袋駅で仲間と待ち合わせ。13時半のレッドアロー号で出発。今回は15人。

日本航空がファーストクラスに日本の代表作である大吟醸を搭載して評判になったプロジェクトから端を発した会で、そのときの仕掛け人である富田勲先生、私、関口さんの3人を中心に、客室乗務員を中心に当時の仲間が集う。
日本一の「こいけ」のそばは、今年は群馬県産、茨城県産、そしてブレンドという3種類で今年も素晴らしい。
日本酒は、菊姫(石川県金沢)、上喜元(山形県酒田)、繁升(福岡県八女)を中心に堪能する。上喜元の出羽三山という銘柄は2300円ほどの酒だが、とても評判がよかった。やはり今年も菊姫大吟醸が至高の味だ。

往復の電車の中や酒席でうかがう富田先生の話がとても興味深い。
手塚治虫の代表作の一つ「ジャングル大帝」の漫画とそのストーリーのすばらしさに改めて感動する。この物語に富田勲先生がつけた勇壮な曲も素晴らしい。そのときのエピソードをうかがった。巨人・手塚治虫から当時20代の富田先生にいきなり電話がかかってきて、曲をつけることを依頼される。事務所に行くと手塚は床に寝転がっていて、ときどき手だけが動いて、波がしらの先をなぞったりする。それが絶妙だった。手塚治虫は60歳という若さで亡くなるが、富田先生より4歳年上だから、生きていたらどれくらいの作品を描いただろうか。手塚は忙しい人だったが、同窓会にはまめにでたらしい。ライオンキングとジャングル大帝のトラブルの話、「ディズニーに負けたくない」という手塚治虫の志の話など、実に興味深い。

富田先生は、高校生のころから作曲を志している。オーケストラに興味があり、音楽の構造に関心を持った。慶応の学生のころ、朝日新聞主催の全日本合唱コンクールで賞をとったのがきっかけでNHKやコロンビアと縁ができた。NHKの帯番組の作曲などを担当していた。慶応時代には、音楽関係の情報を持っているマニアが近くにいて、「インターネットみたいな奴がいました」と面白い表現を使う。聞けば最新情報が何でもわかったそうだ。

大吟醸特集を組んだ懐かしい機内誌ウインズを富田先生が持ってみえた。ここで日本酒の杜氏さんが登場して造り酒屋の志気があがり、後継者も出てきて素晴らしい日本酒を飲める期間が10年は延びたと当時言われた。この特集は1990年だったから、この大吟醸搭載プロジェクトの開始は1989年だろうか。そうすると20年だ。来年は20周年記念に、関係者を集めようということになった。

小池さんには、長くこの素晴らしいそばを提供していただきたい。お願いします。