Google社と著作権者との米での和解の日本への影響

大手出版社から「「Google書籍検索和解」に関するお知らせ」、「著作権に関する重要なお知らせ、、、」という書状が届き始めた。

  • Googleは主要大学の図書館と連携し、700万以上の書籍をデジタル化し内容表示や検索サービスを提供している。
  • アメリカ作家組合と主要出版社はGoogle著作権侵害で訴えた。Googleフェアユース著作権法により認められている範囲の使用)と主張し裁判。
  • 08年10月に和解が成立。09年7月には裁判所により正式に和解が成立。

和解の内容。

  • google社はデジタル化の継続、非独占的データアクセス権の販売、各ページへの広告表示などの商業利用ができる。
  • 商業利用から得られる全収益の63%を権利者に分配する。許可なくデジタル化した書籍につき1冊60ドルを支払う。個別書籍についてはデータ削除や表示使用の停止を要請できる。
  • この和解は、日本の著作権者に対してもアメリカと同様の意味と影響を持つ。(著作権に関する国際条約であるベルヌ条約を日本は批准しているためアメリカと同様の取り扱いを受ける。集団訴訟のため訴訟に参加していなくても関係者に効力が及ぶ)
  • 著作権者は5月5日までに最初の選択をする必要がある。何もしなければ和解に参加したものとみなされる。和解に参加しない場合は著作権者自身がGoogleに通知する必要がある。
  • 権利者の取り得る選択枝。1和解 2和解参加拒否 3異議申し立て 4和解参加後に表示使用から除外する 5和解に参加後に特定書籍を削除

手紙によると、東洋経済新報社の書籍については、5000冊が一覧表に収録され、そのうち2000冊がデジタル化されている。ダイヤモンド社の書籍については600点がすでにデジタル化されており、デジタル化候補は3000冊ある。

書いてある手続きで私自身の著書について「Googleブック検索和解」にアクセスしてみると、すでにデジタル化されたものはないが、全著作の半分ほどの38冊が一覧表に収録されていた。

この件は初耳だったが、荒俣宏さんの「荒俣宏のオークション博物誌」というブログの「グーグル問題に苦闘中」という4月20日の記事を見て、この問題の深刻さがわかった。http://blogs.yahoo.co.jp/aramata_hiroshi/57309727.html
荒俣さんによると、日本文芸家協会から統一見解が示されているようで、所属会員の手続きを一括して代行してもらえるとのことだが、他の団体(たとえば日本ペンクラブ)やそういう団体に所属していない著者たち、そしてこの動きを知らない著者たちは、どうなるのだろうか。

このGoogle問題について、5月5日までに、対応を考える必要がある。