反省をしなければならない。しかし、改心をしてはいけない(頭山満)

k-hisatune2009-06-13

土曜日は、昼食をとりながらの大学院教授会。夕食は九段でのインターゼミの後に、寺島学長を囲んで菅野先生、諸橋先生、木村先生、長田先生、私で夕食をとりながら歓談。


多摩大開学時の有名教授でファンだった日下公人先生の最近著「日本人の覚悟」(祥伝社)を読み終わった。日下先生は長銀、ソフトか経済センター理事長などを歴任され、ベストセラーも多く書いている。日下先生には、ビジネスマン時代に会社の広報誌のインタビューをソフト化経済センターでした記憶がある。常識の逆をいいながら深く納得させられるというスタイルの語り口で、私も折りに触れてかなりの量の本を読み続けてきた。また、最近では「顧客満足学会」の理事長である先生と何度かシンポジウムでご一緒したこともある。今回の本は、「「芯」を抜かれた人は退場せよ!」という副題がついているように、日本人に昔からあった「覚悟」の大切さを独特の日下節で語り切っている。技術の奥には精神があり、精神の完成した姿に日本人は「徳」という言葉を与えた。道徳に裏打ちされた日本人の精神=芯=覚悟を取り戻せという主張である。

以下、日下先生の知的生産の技術に関する記述をピックアップ。

  • 私は戦記物の愛読者で、古今東西の記録を数多く読み、、、
  • 今までに私は、軍人や戦争を主題にした本を10冊以上書いている。それらを書く資料としては1000冊以上の文献を読んだが、、、


「人間学を学ぶ月刊誌」という「致知」という雑誌の中に頭山満の孫のエッセイが載っている。頭山の書が九州の実家の座敷に飾ってあり、この人物には関心が持続している。
1885年−1914年。明治・大正・昭和期のの国家主義者。玄洋社を結成。日露開戦を主張、戦後は講和条約反対運動を展開。大アジア主義者として金玉均孫文、ボースらの亡命者を援助。政界に隠然たる影響力を持った。

この孫が覚えている頭山の言葉。

  • 無一物処無尽蔵
  • 人の半歩先を行け
  • 一人で居ても淋しくない人間になれ

「反省をしなければならない。しかし、改心をしてはいけない。」
失敗をしたら、行く道を変えるのではなく、反省をしてやり方を変える。そしてまたその道を歩く。改心は裏切りであり、人に迷惑をかけるから、すべきではない。今いる場所から移るのでなく、その場を高める努力をすることを念頭に置こう。


読みたい人物伝など(メモ)

  • 「米山梅吉の一生」(三戸岡道夫)。三井信託銀行や日本ロータリークラブを創立したほか、三井報恩会を通じて、巨大な社会奉仕を行った公益事業の巨人。
  • 「日台の架け橋・百年ダムを造った男」(斉藤充功)。1930年に完成した台湾の通称「八田ダム」をつくった八田與一
  • 「死ぬときに後悔すること25」(大津秀一)終末医療の専門家が千人の患者の「やり残したこと」を紹介。
  • 「寄り道人生で拾ったもの」(塩谷靖子)日本初の全盲コンピュータ・プリグラマー。40代で声楽家になりコンサート活動を続ける。
  • 「スーパーセールス姉妹 知栄と佳栄」(柴田知栄・廣瀬佳栄)。スーパーセールス一家の教え。