大学院−−電力、流通、製薬、出版、自動車、電機、、、。

k-hisatune2009-07-17

午前の学部の講義と、午後のプレゼミを終えて、品川へ。
16時半からは、「企画」で有名な久保田達也さんと会う。こちら側は知研の八木哲郎会長と秋田事務局長。久保田さんは「くぼたつ」という呼び方でよく知られている人で、30代の頃に知研の講師としてお招きし何回か会ったことがある。「企画の技術」などベストセラーも多い。1952年生まれだから、ずいぶんと早い時期から活躍していたということになる。イッツという企画会社も率いている。今は、サイバー大学IT総合学部の教授で、「起業論」や「オンラインマーケティング」を担当している。東京工業大学東京農業大学東京情報大学でも教鞭をとっている。工学系人材の優秀さ、ITを使った農業の再生、グーグルのエネルギー戦略やダイナミックな社内の様子、そしてe-ラーニングなどについて話をうかがう。面白かった。

18時半から21時40分までは、大学院の講義。今日のテーマは以下。題材は、雑誌「Foresight」8月号。

  • 成長シナリオを描けない電力会社の不安−−トンネルを抜けたかに見える電力業界だが、楽観はできそうにない。電力会社を待ち受ける幾多のリスクを検証する。−−新田賢吾(ジャーナリスト)
  • 中国が欲しがる日本の「流通ノウハウ」−−製造業の発展で「世界の工場」となった中国だが販売に関してはまだ前近代的。高度化した日本の流通業には可能性がある。−−五味康平(ジャーナリスト)
  • 製薬メーカーに立ち塞がる「2010年問題」−−大型の新薬が2010年を境に次々と特許切れになる。新薬は大手製薬メーカーの舞台骨なだけんい各社、必死に対策を講じているが、、、。清水常貴
  • 急成長「スクリブド」は出版のあり方を変えるか−文書版「ユーチューブ」ともいえる人気サイトが米出版大手と提携した。何が起きようとしているのか。−−ルイーズ・ブランソン(ジャーナリスト)
  • 着々と進む「自動車」と「電機」の融合−−ハイテク技術を満載する次世代車の存在感を高めた電機メーカー。自走車メーカーとの関係は「協議」から「融合」に−−山内桂也(ジャーナリスト)。
  • 「骨太2009」で立ちゆかなくなる社会保障−医療や介護の現場が崩壊したのは小泉改革のせいではない。業界と行政の「構造」を変えない限りさらに悲惨な未来が待ち受ける。−鈴木亘(学習院大教授)
  • 民主党政権」にアメリカが抱く「3つの疑問」−−マイケル・グリーン(米戦略国際問題研究所CSIS)日本部長)
  • 漢族とウイグル族 見えぬ融和への道−−デモのきっかけは何だったのか。豊北の連鎖の背景にある「同化政策:」とは、、、。緊迫の現地で記者は何を観たか。−−町田巌(ジャーナリスト)
  • 経済学は「人間の心」をどう扱ってきたか−−堂目卓也(大阪大学大学院教授)

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「大学院 コミュニケーション経営論」の掲示板。ここに毎回授業の感想を書くことになっている。
http://www.hisatune.net/html/01-kyouiku/tamadai/comm-keiei/bbs-f.htm 以下、現在までの感想の書き込みの抜粋。

私は『「骨太2009」で立ち床なる社会保障』(学習院大学経済学部 鈴木亘教授)を図解しました。社会保障費を毎年2200億円削減するという公約が撤廃されたが、わが国の少子高齢化の急激な進展を考えると間違っているという主張です。これを人口構成の変化と社会保障費に関係する団体や政治家、などの先見性のなさを対比しつつ問題を掘り下げています。図解することで、かなり硬派な論説がわかりやすく理解できることを今回も実感しました。

冒頭に「図解を活かすことができない」と話をしたところ先生からアドバイスを頂いた。1.会議前に小道具の準備 直ぐに図解できるようにホワイトボードは必須。事前に準備しておく。2.堂々巡りをほぐす  会議など「同じコトを繰り返し」「堂々巡り」になったとき、図解の登場。  全体的にどのような方向性の内容かが見えてくる。3.会議の様子を図解しておく  出席者の発言から「誰が何をどう発言したか」内容と出席者同士の関係性を図解しておく  その人がどの立ち位置から発言しているか分かる。そして「図解は分かり易くお互いが納得できる」ことから会議でも結論(次に何をするか)が明確になる。これを繰り返すと自然に「リーダー的存在」になってしまうそう。

インターネット技術+端末機器(携帯・PC・iphone等)のなど通信技術が発達することで、電子書籍の普及・拡大し、著者−出版社−読み手の関係がビジネスモデルとしても変化していることを示している。文書共有サイト「スクリブド」の存在が音楽で言うiTunesとなるか。私は電子書籍も読むし、Amazonで本も買うし、本屋でも本を買うのだが、これらはいつも受け身である。「自分から有料で情報を発信できる」「版数に制限無し」というのは、とても魅力的だ。

本日の担当は、電力会社の今後の経営に関する提言であった。 著者のまとめは、経営に関するのビジョンとビジネスモデルをグローバルに展開するシナリオを描けるかが課題としている。 その点に関しては著者に賛成をするが、まだ国内の経営に関するチェレンジ項目はいくつか課題として挙げられており、国内においても個人的には解決すべき事を行えば少しは経営が良くなることもあると思った。 図解するに当たっては、時間の制約上まだ紙面構成が甘く、もう少しわかりやすい構成にも出来たと思われたことは反省です。 次回は最終回、もっと課題をこなして図解を自分の武器に出来るようにがんばりたい。

「日本には流通業の社員に対する教育の場がある」「だから、中国という巨大マーケット攻略には、日本のノウハウを全面に出すべき」という論旨で、共感をおぼえた。紹介された事例もおもしろかった。
共感をおぼえた文章は、短時間で図解することができ、きれいにまとまった(自分ではそう思う)。しか〜し、先生からは「きれいな図解だからといって、中身もよいとは限らない」という、と〜っても、ありがたいコメントをいただいた…。ごもっともです…