「世界をみる眼−−21世紀初頭を超えて」(第8回日総研フォーラム)

夜は日本総合研究所主催のフォーラムを聴講。

このフォーラムは寺島実郎さんがこのシンクタンクのトップになった2001年から始めたはずだが、もう8回目になる。毎回、旬の論客をパネリストに迎えての議論と寺島さんの総括公演と続く。時事通信ホールは今回も満杯だ。以下、簡単なまとめ。「リアリティ。情報収集。日本探検」などのキーワードが頭をかすめた。

御厨貴。東大先端科学技術研究センター教授。政治家や官僚を中心としたオーラル・ヒストリーに取り組むと同時に、「建築と政治」など新たなテーマにも目を向ける。近著に「表象の戦後人物誌」(千倉書房)、「明治国家をつくる」(藤原書店)。「「時事放談」に出演。

伊東乾。東大大学院情報学環・学祭情報学府准教授、作曲家、指揮者、ベルリン・ラオムジークコレギウム芸術監督。1965年生まれ。東大理学部物理学科、大学院卒。途上国の科学教育支援や技術経営、メディア倫理などにも各紙誌上で積極的に発言。日経ビジネスオンライン連載「常識の源流探訪」は創刊以来最多アクセスを記録。近著に「笑う脳の秘密!」、「日本にノーベル賞が来る理由」「ニッポンの岐路 裁判員制度」。クロスボーダー人間。一年の半分はベルリン在住。

御厨貴

  • この1年の政治の空転は、統治責任・決断を忘れていたのが原因。細川政権の誕生という経験を経て自民党は絶対に野党にならないというテーゼで場当たり的な迎合政治を行って足腰が弱くなり行き詰まった。日本の立ち位置。あらゆる文献は手に入るが、マイクロコピーは偽物で本物ではない。わたしは本物に触れていたから、伊藤博文は友人。

伊東乾

  • 価値をいかに見立てていくか。メディアは価値を創出してグローバルにそれを共有していく。西洋音楽は西洋人のみが担うものでもない時代だ。純日本製テクノロジーで説明していく。リアリティとバーチャリティ。リアリティへの復帰、実体への回帰。ITなど新たな武器を携えて現場に行き、さらにその先に行く。日本の技術をリトマス紙にして、日本の見立てという信頼と安心を創造していく。

寺島実郎

  • 21世紀の日本は、米中の間で存在感をみせていかねばならない。アメリカをアジアから孤立させない役割。モンロー主義に回帰しがちなアメリカを世界秩序に関与させる。欧州におけるイギリスの立場。
  • 中国を国際社会のルールに参加せしめる役割。その中で筋道の通った存在感を見せるべきだ。
  • 日本創世のシナリオ。実体性(技術と産業)と自律性(内部からの安定)。日本はポテンシャルはあるが、ガバナンスが欠如しており全体最適ができていない。束ねて問題を解決する力が欠如。
  • 第三の(中立型)シンクタンク・アジア・太平洋研究所構想(推進協議会議長)は、10月に方向性。多摩大学学長。教育と実学。リレー講座とインターゼミ。
  • 日本創生委員会(委員長)。プロジェクトエンジアリング。資源大国への道筋。地球温暖化問題のCO2削減中期目標設定。構想力と全体知に支えられた問題解決力が重要。この1年で多様な意見を束ねて収斂させていくという役割になってきた。

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12時:ホームページ打ち合わせ
13時:市場価値測定研究所の藤田社長
16時:JR東日本本社で今年度の研修の打ち合わせ
18時20分:日総研フォーラム