「大学ウェブサイトの新しい形」−−「広報会議」が多摩大HPを紹介

宣伝会議という会社が雑誌「広報会議」を出している。

8月1日号で「特集:志望者が劇的に増える ひと味違う学校案内・ウェブサイト」という特集を組んでおり、その中で多摩大のホームページが取り上げられた。
「大学ウェブサイトの新しい形」ということで、多摩大をトップに、近畿大学京都女子大学東京農業大学東京工芸大学東邦大学のウェブサイトが紹介されている。
「7月、交通広告で数多く目にしたのが、大学のオープンキャンパスの広告。各大学ともユニークなビジュアルで勝負に出ている。しかし、その前に大学広報の皆さんに問いかけたいことがある。いまのままの「入試広報」で本当によいのか?本特集では様々な大学における最新の取り組みをレポート。大学の学生募集力を高めるために、これから何をすればよいのかを考える。」というのが、この企画の趣旨だ。3日の朝日新聞朝刊に広告。
広報会議http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/kouhoukaigi/index_0909.html
多摩大学http://www.tama.ac.jp/
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他大学には真似できない
唯一無二の表現

多摩大学

多摩大学のサイトを開くと、トップ画面に広がる図解に圧倒される。近年、ステークホルダー別のサイトが増える中で、この表現は唯一無二だ。「大学のサイトはどれを見ても同じに見えるので、オンリーワンで行こうと考えた」と話すのは、同大学学長室長/経営情報学部教授の久恒啓一氏。同大学では創立20周年を迎え、「現代の志塾」という理念を掲げたことを機に、今年7月、ウェブサイトをリニューアルした。ここには久恒氏が長年研究してきた図解コミュニケーションの考え方を応用。現在、久恒氏はデザイン、構成から学内の関係各所へのディレクションまで行っている。

大学の構造が一目でわかる

サイトは見ての通り、大学の図解。学生(1年〜4年生)を中心に、左右に教授や研究機関、事務局を、上部には同窓会を、そして下部には入試関連の項目を置くことで、大学全体の構造を表している。この図解により、様々な利点が生まれたという。「一番大きいのは、複雑な大学の構造を一目で理解できること。特に受験生には入試前から卒業後までの流れを見せることで、将来の自分の姿を想像してもらえるようになった」。また、それぞれの項目をクリックすると詳細コンテンツに飛ぶため、トップページから一度でアクセスが可能。サイト内で迷うことがなく、ユーザビリティも向上した。

大学サイトは、広報資源

同大学では従来、部署ごとにウェブ担当者を決めていたが、全体を統括している人がおらず、更新がままならないこともあった。しかし、図解サイトで全体が見えるようになり、気になる部分はすぐに改善。コンテンツの更新も担当部署に促し、以前よりサイトが活性化している。
「サイトをつくったというより、大学としての全体像をつくったという感じでしょうか」。
現在、力を入れているのが学生、教員、職員等のブログと大学サイトのリンクだ。学内で教職員向けにブログ講習会も開いた。一番の目的は、サイトでは伝えきれない学生や教員の姿を知ってもらうことだが、「それぞれがブログを書くことでサイトの更新にも繋がり、さらに話題になれば、それが大学の広報資源にもなる」と、久恒氏は話す。今後の課題は、コンテンツの充実。見た目の驚きだけではない、大学サイトの新しいモデルを目指す考えだ。
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以下、キャプション
図解の下に最新のトピックスが並ぶ。デザインではなく、あくまでも図解。「単純にデザインしてもらうのではなく、それぞれの項目の意味をきちんと理解してもらう必要がある。そのためデザイン制作会社では制作が難しい」。現在、久恒氏の教え子で構成されるマグネットデザイン(仙台)が制作を手がけている。


学長・寺島実郎氏のページも「寺島実郎の世界」と題し、図解とトピックスで構成されている。このページに関しては、ビジネスパーソンとしての寺島ファンにも見てもらえるようにつくっている。

「現代の志塾」という理念に基づき、コンテンツの中には「私の志」というページを設け、学生を紹介している。将来的にはこのサイトを「志のポータルサイト」にしていきたいと考えている。