西田幾太郎記念哲学館・銭屋五衛兵記念館・中川一政記念美術館

昨年金沢で加賀友禅作家の久恒俊治さんと知り合いになり、今回は奥様と娘さんが、私の「人物記念館の旅」につきあったていただいた。

宇ノ気にある西田幾太郎記念哲学館。入り口がわかりにくく、中も迷路のようになっていて、案内板の情報も少ない。おかしな造りだなと感じてスタッフに誰の設計かと聞くと、安藤忠雄さんですという返事だった。わざとわかりにくくして、考えさせようという魂胆だったのだ。西田幾太郎(1870-1945年)の思想体系は、「西田哲学」として名高い。「いくたろう」と思っていたが、、「きたろう」が正しいことがわかった。

次に、宮腰の銭屋五衛兵記念館。五衛兵(1773年-1852年)は加賀藩の財政に大きな貢献をした豪商で、「海の百万石」と言われた傑物である。39才から海の商いに入り、廻船で大商いをし、すぐれた経営手腕を発揮した人物である。この人は桐生悠々「銭屋五衛兵」、海音寺潮五郎「銭屋五衛兵」、舟橋聖一「海の百万石」、津本陽「波上の館」などの小説に描かれている。陰謀にかかり、80才で獄死するという数奇な運命。

そして、小松の中川一政記念美術館。中川一政(1893−1991年)は、「駒ヶ岳」などの作品で著名な画家で97才という長寿だった。「中川一政 いのち弾ける!」という本を買った。絵もいいが、言葉もいい。「門の中にはいっているのが専門家」「はいって出られないのが専門家」。「若い時の勉強は、何でもとりいれ貯めることである。老年の仕事は、いらないものを捨ててゆくことである」「すて去りすて去りして、純粋になってゆくことである」。「画の勝負は美しいとか醜いいというかいうものではない。生きているか、死んでいるかが問題だ。美しいようにみえて、死んでいるのがある。みにくいように見えて、生きているのがある。」

訪問記は、後に詳しく書く予定。以上3館を巡り、今までの人物記念館の



訪問累計は、299館となった。歴史的な300館目は、誰にしようか、、、。