プチ湯治−−東鳴子温泉の大沼旅館で「現代の湯治」を体験

k-hisatune2009-09-15

15日から一泊で、宮城県大崎市鳴子温泉の「東鳴子温泉」に行った。
ここの大沼旅館に宿泊。大学のインターゼミの「東鳴子温泉の活性化」チームのフィールド調査。このチームは阿部君、宮城君、山本さんの3人で、彼らは3泊4日のプチ湯治の体験をしている。

川渡温泉鳴子温泉に挟まれたこの東鳴子は、宮城県在住当時は通り過ぎてしまっていたが、JR陸羽東線鳴子御殿湯駅からすぐの温泉郷だ。

大沼旅館の第五代目湯守の大沼伸治さんは、この温泉郷の活性化の中心人物で、ユニークな企画と発信力で「東鳴子」の名前を知らしめた人で、行政からも注目されている。以前、県の行政マンと一緒に仙台駅前のホテルで会ったことがある。http://www.ohnuma.co.jp/

朝晩は米飯と味噌汁は宿が用意し、おかずは自分たちで作るか外で買って来るという「半湯治」というスタイルである。学生たちに聞くと、明らかに数日で体温の上昇を自覚していた。体温が上昇すると免疫力がアップして健康になる。いわゆる「プチ湯治」だが、効果は高いようだ。

伝統のある旅館だが、隅々まで手入れが行き届いていて、気持ちがいい。初日は3回、翌日2回ほど温泉に浸かった。初日は大浴場の千人風呂、内庭貸切露天の石割の湯。全室、インターネット接続が可能。

夜は、鳴子にタクシーで出て、学生たちと思い切り食べ、そしてお酒を飲んだ。

翌日は、森の中にある離れの庭園貸切露天風呂「母里の湯」(もりのゆ)を堪能した。庭園を見ながら入るまことに贅沢な入浴である。湯面には庭の木々の緑が映り、美しい。人のいない贅沢な静寂の中で実にゆったりとした気分で30分ほど楽しむことができた。

その後、すぐ上にある茶室「緑青庵」でお茶の接待を受ける。四畳枡床の本格的な茶室である。大沼さんのお母さんから、清楚な茶室で話をしながらお茶をいただいた。この茶室から緑を見ていると、本当に心が安まるという不思議な感覚を体験した。今まで経験したたことのない経験だった。

温泉地に長期滞在し、滞在中何度もお湯に浸かり、偉大な温泉の力をもらい心身を再生するのが「湯治」であるが、この旅館は「現代の湯治」をテーマとしている。滞在中に出逢った50代の女性は東京で会社を経営している方で、骨折の後の治療に来ていたが、「ここの力の強いお湯のおかげで2、3日ですっかり治った」とのことだった。東京での仕事に疲れるとよく来る常連客だ。

この茶室の近くには、山荘「母里乃館」があり、30人ほどの会合が出来るそうだ。

ほんの一泊だったが、心身がリフレッシュされた。