インターゼミ(社会工学研究会)の5プロジェクト最終発表会

k-hisatune2009-12-12

大学院教授会を終えて、九段サテライトへ。

本日は、今年度から始まった「インターゼミ」(社会工学研究会・塾長は寺島実郎学長)の最終発表会。インターゼミについて、始まった当初の考え方と狙いは以下の通り。

「このビルの3階には、今年度から私が学長を務めることになった多摩大学のサテライト教室を設け、40人前後を収納できるスペースにおいて、「社会工学研究会」という名の下にインターゼミの試みを始めた。大学院から学部の学生まで、年次も様々な学生を学部横断で約30人選別し、教官も学部・専門領域横断で8人を配置、学生を5人程度のグループに分けて課題を設定して、1年間かけて「課題解決型の共同研究」に立ち向かわせる挑戦である。例えば、「多摩ニュータウンの研究」とか「日本におけるグリーン・ニューディールの可能性」などのテーマの下に、文献研究やフィールドワークによる共同研究をさせ、報告書をまとめさせるというもので、教官を接点に外部の専門家や関係者との連携も試み、具体的な問題解決能力を身につけさせようという狙いがある。成果は未知数だが、教官も学生も生き生きと参画しており、今後の展開を大いに期待している。」(寺島実郎 岩波書店「世界」2009年7月号 脳力のレッスン87 より)

現代社会の抱える課題について、学部・大学院・学年などをまたいで塾形式で切磋琢磨しながら、多様な要素や手法を組み合わせた柔らかい発想で、体系的・総合的な答を志向する総合設計力を身に付ける。」「受講生自身による問題発掘・発見から仮説の提示、そして多様な要素の組み合わせによる問題解決へいたるプロセスの中で、寺島塾長以下学内の教員や社会で活躍する学外の賢人による付加価値を高め、創造的問題解決策を志向・策定していく。」(インターゼミの狙い)

今年度は、5つのテーマで活動を行い、論文提出に向けての最終発表会。

  • 多摩ニュータウンの再生(鮎川 礼 菊永 泰正 担当教官:酒井 麻衣子 松本 祐一)
  • グリーン・ニューディール(本橋 巧 清水 宣寿  豊田 高行  小松崎 慧 鷲田 葵  高田 裕貴 原 智恵子 担当教員:菅野 光公 長田 貴仁)
  • ディズニーの研究(蓬田 浩貴  和田 麻倫  北辻 巧多郎 井上 諒祐 鳥居 順子 担当教員:渡邊 泰典)
  • アジアとの交流プログラム(平野 貴恵  渡部 亜裕子  繁原 正明 宮坂 貴彦  郷家 一希 担当教員:金 美徳  木村 知義)
  • 東鳴子温泉活性化(阿部 剛平   宮城 和也  山本 信子 担当教員:久恒 啓一)

「発表10分・質疑7分」という時間設定だったが、全てのチームが時間通りに発表を終えて、応答も適切であった。内容以前に、タイムマネジメントの能力の向上に目を見張った。

寺島塾長からの、暖かい激励と適切な評価と今後の展望の混じったコメントもあり、ピリッとした緊張感の漂う中、いい雰囲気で進行した。

2週間後の12月26日(土)の論文提出(A4 20枚以上)、その後の担当教員によるアドバイスを踏まえて、来年1月9日の最終論文の提出まで、まだまだ気を抜けない。

寺島新学長が直接関わるプロジェクトとしては、多摩キャンパスでのリレー講座と九段サテライトでのこのインターゼミが二本柱である。どのような形になるのか、どういった方向に進むのか、私自身も霧の中を視界不良で進んで来たが、今年度の着地点と来年度以降の方向も見えてきた。
学生達の向上意欲の強さと高い能力の確認、そして様々な分野の専門家である教員達の交流と連携の方向など、このインターゼミは、多摩大学発展の核になるとの確信を持った。

来年度への展望。
多摩ニュータウン「多摩地区のICT関係のインフラ(光ファイバー敷設状況など)」「弾薬庫・米軍ゴルフ場など何があるのか」「マップとインフラ」
グリーンニューディール「広いテーマ。来年も」「エコ家電のパラドックス
ディズニー「サービスエンターテイメント産業」「すべてのサービス産業」「他の施設(USJ、ナッツベリーファーム、、)との差は何か」「香港・上海・パリなどのディズニーとの違い」
アジア交流「国際交流というテーマに広げていく」「オーストラリアの成功」
東鳴子温泉「医療湯治や大学との連携という視点を知事に報告」「他の温泉への拡大も」