初春の 冷気切り裂く 銀輪の 若者の足 鋼の如く

仙台にいたときは、泉区の加茂神社という地元の神社に毎年お参りをしてりた。この神社には10年以上通ったのだが、受験などのお願いなどすべて聞き届けてくれた気がする。やはり地元の神に祈るのが一番だ。

今住んでいる多摩ニュータウンでは今年で二回目の正月となるが、小さくて、目立たない、そして人が少ない、近所の日枝神社へ初詣でをする。
この神社は「国常立命(クニノトコタチノミコト)」を祭っているが、国常立命は、調べると、天地開闢の神で、国土形成の根源神、国土の守護神として信仰されている神であるとされている。なるほど、多摩ニュータウンの一角にある神社にふさわしい神である。新住宅市街地開発法に基づく多摩ニュータウンの建設に伴い、昭和50年12月に鎮守日枝神社遷宮し、八坂神社合祀との記述が「区画整理記念」という石碑にある。

毎年お神籤をひく。お神籤で思い出すのは、成田山だ。ある年にひくと「凶」がでた。他の場所でひき直すと「大凶」がでた。何度引いても「凶」がでる。だんだん気分が滅入ってきて、怖くなってくる。気を取り直して引きつづけると、とうとう5回目あたりに「末吉」が出てそれでやめにしたことがある。少し身構えて生活をしたのだが、この年には、いくつか良くないことはあったが、それほどではなかった記憶がある。

さて、昨年は「小吉」だったが、今年は「中吉」と運勢は、少しよくなっている。和歌や運勢、具体的なテーマ毎のお告げをみると、実際には「大吉」のような気がしてくるから、今年はいい年であると思うことにしよう。同行した、娘も息子も、妻も、そして母も、私を除けば全員が「大吉」だった。昨年は、末吉と小吉と中吉だったから、我が家にはずいぶんと運が向いてきたのではないだろうか。

さて、私の運勢を示す和歌は、次の一首だった。穏やかな年を連想させる。

 いそしみし しるしは みえて ゆたかにも こがね なみよる おやまだのさと

運勢は、以下。自重して励めばいいということだ。

 する事なす事幸いの種となりて 心配事なくして嬉しき運なれば わき目ふらず一心に自分の仕事大事とはげむべし 些かも我儘勝手の気を起こして色や酒に溺れるな

具他的なテーマ毎のお告げは、下記。自分と師匠を信じて進めばよいということだろう。

  • 願事 のぞみのままなり 人の言葉に迷ふ忽れ
  • 待人 おとずれるなし来る
  • 失物 出づるも手間どる
  • 旅行 よし、連人に注意
  • 商法 利益あり進んで吉
  • 学業 師の教にしたがえ
  • 方角 何れにても可
  • 争事 勝ちし後ぞくが利
  • 抱人 人の世話あり吉
  • 転居 差支えなし
  • お産 やすし安心すべし
  • 病気 早く本復すべし
  • 縁談 多くて困ることあり静かに心を定めてよし

さて、今年は日本探検の一つとして短歌を試みてみようと元日に思った。日本文化の本質は和歌にあり、その伝統は短歌として生きている。私の母は、40年ほど短歌の世界にいる歌人なので、教えてもらいながら、歌をつくってみる。
朝の散歩時に浮かんだ歌に、母に少し手を入れてもらった今日の一首。
 初春の 冷気切り裂く 銀輪の 若者の足 鋼の如く