乱造が多いビジネス書の将来の方向性(手軽に作らない)を示す好書

「ビジネス書大賞BIz-Tai」(デュスカバー21)が送られてきた。
ビジネス書大賞 Biz-Tai 2010
新しく創設されたアワードで、ビジネス書を「ビジネスパーソンにとって学びや気づきがある本」と定義し、体裁やジャンルにはこだわらないとスタンスを広くとっている。書店、ブロガー、出版社、マスコミの70名が選考委員となっている。一次選考では、選考委員が5冊を選び、順位を決め、二次選考では、インターネットやTwitterによる一般投票で順位を決定するという選び方だ。
「大賞」「出版社賞」は「ブラックスワン」(なシーム・・ニコラス・タレブ)、「書店賞」は「成功は一日で捨て去れ」(柳井正)、「読者賞」は「起きていることはすべて正しい」(勝間和代)、「マスコミ・ブロガー賞」は「不透明な時代を見抜く「統計思考力」(神永正博)、「新人賞」は「「20円」で世界をつなぐ仕事」(小暮真久)が結果だ。

この選考に私の本もノミネートされていたことを初めて知った。全国紙書評担当という肩書きの人物が昨年7月に出した「KOKOROZASHI 志」(ディスカバー)を推薦してくれており、この本の価値をよく理解してくれている紹介だったので嬉しく思った。初版も多く刷り期待の一冊だったが、思ったほどは売れていないが、見ている人は見ていると心強く感じた。
KOKOROZASHI 志

「著者が全国の偉人たちの資料館や博物館を巡る旅で見つけた名言を拾い上げる。偉人伝や名言集は多くあるが、この本は類似書とは根本的に違う。名言の元ネタがコピペではなく、偉人たちの地元で、学芸員たちが「郷土の英雄の業績を」と丹念に探し出したものだけに、偉人への思い入れが全く違うからだ。ありきたりな名言集に現地取材という手のかかる要素を盛り込むことで新しい書籍の魅力を切り開いた。乱造が多いビジネス書の将来の方向性(手軽に作らない)を示す好書。」


今日は昼食を兼ねた大学院の教授会があり、それを終えて、夕方から、評判になっている映画{アバター」を観た。1997年の「タイタニック」で爆発的なヒットを記録したジェームズ・キャメロン監督の新作で、封切り後わずかな時間で、その記録を抜いたという作品である。キャメロンは、「ターミネーター」、「エイリアン」、「アビス」、「ランボー・怒りの脱出」、などの作品もつくったやり手である。1954年生まれ。
http://movies.foxjapan.com/avatar/
ストーリー自体は、スリル、戦闘シーン、未開人と文明人の戦い、ハッピーエンドの結末、などで目新しい内容ではない。この映画を観るには、特殊なメガネをかける。そうすると画面が3Dの立体映像となってみえるという趣向だ。確かに大いなる自然や、戦闘シーンなどは迫力が全く違う。十数年前にフロリダのディズニーワールドで観た3D映画を思い出した。この作品が大ヒットを続けているのは、3D技術を活かせる内容であるからだろう。
「子供の頃、ありとあらゆるSF小説を読み漁っていた。アバターは、その集約なんだ」というキャメロンは、もう3D以外の映画をつくることに興味を失っている。3D技術は、新しい世界を拓いたことは間違いない。