リレー講座の2回目は、東大の山内昌之教授。山内先生は毎年出講いただいているから、今度で3回目の講義だ。
テーマは、「政治家のリーダーシップと戦略的思考」−歴史の教訓から」。
話を聴きながら「図メモ」をとって、次のゼミで内容を簡単に説明し、翌日の朝このブログでまとめを書いている。
山内先生のレジメの文章、実際の講演、その図メモ、短い結論などをひとつのパッケージとしてとらえると面白い。
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結論
- 政治家(リーダー)は危機に対応しなければならない。
- 想定内の危機は歴史の教訓から学び、避けることができる。
- 想定外の危機には対応の答えはないが、歴史の教訓から得られた構想力を駆使し現実を踏まえた将来の姿を見ながら対応することもできる可能性がある。
- 現在の日本のリーダーには歴史に学ぶという発想がないから、想定内の危機への対応ができない。
- 想定外の危機については一層難しいから、何かあったときには被害を最小限に抑える準備をし、復元可能な社会にしておくべきである。
- 私の願いは、歴史から学んで少しでも合理的な判断をして欲しいということである。
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講師の本音など
- ホッブズは「リバイアサン」で歴史は葛藤の歴史だと言ったが、単純化しすぎている。戦争は避けることができるはずだ。
- 人間の判断には自由度があり、リーダーシップによって協調行動ができ、平和の実現ができるといこともある。
- ツキディディスは「戦史」で、大戦争は必ず繰り返すから、真の原因は何かを洞察しなければならないと言っている。
- リーダーは妥協のタイミングを見落としてはならない。
- カンや狭い知見で判断せずに、歴史を呼び起こすべきだ
- リンカーンは、南北一体・厭戦気分の拡大・奴隷解放という大義という戦略的思考で勝利した。
- 毛沢東は、撤退を長征と言い換え、人民解放軍全体をゲリラ戦という戦略的思考を発揮し勝利した。
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山内先生のレジメは11枚の文章となって配られたので、その内容を小見出しで紹介する。全部は説明できないから詳しくはこの文章を読んで欲しいということだろうか。