あの記事は 何だったのか W杯 いつもながらに 勝てば官軍

読書メモ。

山内昌之「幕末維新に学ぶ現在」
産経新聞に連載した内容55回分をまとめた書物。現在の政治状況を題材にしながら、幕末維新に活躍した人物の生涯を語るという趣向。賢人や豪傑の仕事ぶりの実例で歴史を学ぶことが大事だとは、吉田松陰の姿勢だった。歴史書を読み古人の具体的な仕事を学びながら自らの志を励ましていた。孔子も「空言」よりも「行事」で考える方法を大切にしていた。この本では、イスラム歴史学者の専門外のテーマで楽しみながらの語る口が悪くない。55人の人物が縦横に語られていて面白い。
幕末維新に学ぶ現在

岡本一平「漫画漫文集」 1886年ー1948年
絵画と文章の両方の才能を持った岡本一平は、「漫画漫文」で脚光を浴び、夏目漱石も激賞する。日本の職業漫画家は明治末から大正初期にかけて誕生するが、一平はその先駆者だった。風俗、世相、政治、似顔絵、人生など内容は多岐にわたっている。この分野は新しい芸術分野だった。

岡本かの子「食魔」 1889年ー1939年
北大路魯山人を題材にとった短編小説。篆刻家・画家・陶芸家・書道家・漆芸家・料理家・美食家などの様々な顔を持っていたが、特に「食」を究める前の若い時の生き方を描いており、後の大きな存在を予見させる小説。中に、女流歌人仏教家の布陣と、画家の夫が出てくるが、これは岡本一平岡本かの子夫婦そのものである。
食魔 岡本かの子食文学傑作選 (講談社文芸文庫)

今日の一首
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