多摩学研究会第一回研究発表は、「水道」と「独立の気風」

まず、9時半から多摩大総研の運営の件で、松本先生と中庭先生と打ち合わせ。

10時からは、多摩学研究会の第一回研究発表。

  • 中庭先生の「多摩地区の水道都営一元化の意味−−多摩地域の水道水はどこから来るのか?」。
    • 40年かけて「成長型」水道事業を整備した「多摩水道一元化」
    • 多摩地域の住民は利根川の水を飲み(開発費用を負担し)、多摩川に捨てている。
    • 人口減少時代の水道経営は、統合的水資源管理が主流。
    • 多摩を見ることは「人口減少時代の広域圏「核都市−後背地構造」でデザイン、マネジメントを考えることにつながる。Smart Shrinkの手法へ。
  • 諸橋先生の「多摩地域における古代・中世の「独立」の気風」。古代から中世にかけての歴史を追うことで、多摩人の「独立」の気風の正体をさぐる。ここから見えてくる気風は以下の通りであるが、これらは多摩独自の風土に裏打ちされたものである。
    • 個人(一族)の財産保持・拡張に対する偏執狂的努力=一所懸命
    • 武力(騎馬での戦い)で権利を主張
    • 権力者の資質に対する偏った評価(頭脳ではなく、血筋と腕力)
    • 集団行動の欠如、個別的英雄的行動

いずれもかなり長い間の問題意識と地道な研究に基づくものだった。この研究会の豊かな果実が予想される。

学長が、関西でのテレビ出演(「救国内閣」論)を終えて14時に戻ってくる。中国旅行の報告、多摩地域での産学連携の件、シンポジウムの件、大学院の件などを報告・協議。

  • 14時半から。大学院の学位授与式。32才から54才までの修了生、14名。

学長「人物の足跡を追っているが、必ず中年の危機がある。それを突破するのは、使命感や志の発見だ。また支えてくれる人間関係、ネットワークも大事だ。経営の大学院はプロジェクトマネジメントだ。経営も人生もPMだ。再び現場にでて、駒を進めよ」
研究科長「仕事をしようとするなら偉くなれ」。田邊同窓会長「義理と人情と、恩返し」。以倉院生会長「仕事と家庭と学び」。大石修了生代表「一番の学び。大きな自信」

  • 15時半から大学院入学式。25才から61才。22名。平均年齢39才。

学長「仕事、家庭、学業。アジアダイナミズム。アジア中間層は2020年には20億人に(2010年は6.9億人。2000年2億人)、これに富裕層2.3億人を加えるとEU,アメリカ以上になる。スキルに加えて地政学的知を身につけよ。世界観、時代観がリーダーの資質。仕事とは人の心を動かす力だ。多摩大の学園歌は素晴らしい。空から広く見渡す、鳥の目と虫の目。多摩大ネットワークを使ってしたたかにかつたくましく」研究科長「経営のわかったミドルを育てる」田邊同窓会長「チャンスをいただいたと思って」戸木院生会長「還暦で入学した、前向きに一歩踏み出すことが大事だ」