スタジオ・ジブリの代表取締役で名プロデューサー鈴木敏夫が語る、ジブリの作品史とそれを巡る登場人物史である。もちろんその中心は、宮崎駿である。
1948年生まれで団塊世代の鈴木は、徳間書店に入り、「週刊アサヒ芸能」を経て、日本初のアニメーション雑誌「アニメージュ」も創刊に関わり、12年間にわたり日本のアニメ界を見つめ、深く関わることになる。その延長線上に85年のスタジオ・ジブリ設立に参加し、40歳を過ぎたあたりの89年からは専従になる。
そして天才・宮崎駿のもっとも身近な存在として、稀有の存在であるジブリを育て、そして数々のヒット作品を生みだす舞台をつくっていく。この人の存在がなかったら今のジブリの名声もあったかどうか。その鈴木敏夫が書いた自伝的ジブリ論。

- 作者: 鈴木敏夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2011/08/11
- メディア: 単行本
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宮崎駿について。身近な鈴木がみた宮崎像。
- 日本の子どもたちに見せる作品は日本人みずからの手で作るべきだ。
- 宮崎駿の五感、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚は、とぎすまされたままで鈍っていません。
- 仕事以外に興味を持つ奴は、いいアニメーターになれないというのが、彼の考えなのです。
- 世の中には二種類の人間しかいない。味わう人と味わわせる人。
- 作品の三つの原則。「おもしろいこと」「作るに値いすること」「お金が儲かる事」。
- 「企画は半径三メートル以内にいっぱい転がっている」
- 一般教養の入り口。朝日・日経・赤旗。NHKスペシャル。読書(児童文学。堀田義衛・堀辰雄。戦争)。訪ねてくる人の情報。
鈴木敏夫。
今日の一句。
秋の湯に 息子と二人 顔ならべ(吐鳳)