最近の新聞の切り抜きから、作家たちの遠景や言葉を拾ってみた。
- 谷沢永一(81歳で3月8日に死去)
生涯の著作は160冊近くに及ぶ。関西に住んだ。
入院中も「頭の中で原稿を書いているんや。もう単行本2冊くらいはできたやろうなあ」(妻の美智子さん)
座談の名手。宴席でも文壇のエピソードを満載した巧みな話術。
「私は文学賞の審査委員を仰せつかって、そのチャンスにだけ読むんだけど(中略)大半は作文である。作品ではない。これは言えるんじゃないかしらね」。
- 丸山健二(67歳) 長野県在住。
毎日原稿用紙4枚ほどの執筆は欠かさない。
「腕を上げようと思ったら、毎日書かなければいけない。まだ書き方さえも分からない。題材があるから、死ぬ最後の日までレベルアップを目指す」
エッセー{さまなければ夕焼けがこんなに美しいはずはない」、写文集{草情花伝」、小説{眠れ、悪しき子よ」と3作品を連続刊行する。ブログやツイッターも開始。
- 浅田次郎(59歳) 東京都日野市在住。
いつもは酔って読み書きできないのを惜しんで酒を飲まない。
執筆は5年先まで決まっている。「小説家はむやみに考えをひけらかすべきでない」「作家たるもの、表現の自由を守る活動は当然です」
作家や評論家ら1860人で構成する日本ペンクラブの大16代会長に就任。井上ひさし、阿刀田高の後を受ける。日本ペンクラブは、初代会長・島崎藤村、正宗白鳥、志賀直哉、川端康成、芹沢光治良、中村光夫、石川達三、高橋健二、井上靖、遠藤周作、大岡信、尾崎秀樹、梅原猛、そして井上ひさし、阿刀田高と続く。