「図解思考」を用いた国際コミュニケーション力の向上研修(JICA


渋谷で井の頭線からの乗り換え時に、岡本太郎の「明日の神話」を見る。この絵からは見るたびに活力をもらえる。

昼過ぎに原宿の太田美術館に着く。この美術館は浮世絵専門の美術館。「破天荒の浮世絵師 歌川国芳」展を駆け足で観る。国芳(1767-1861年)は、広重と同年生まれ。63歳で亡くなるが、年譜を見ると48-52歳の間が最も仕事が活発だ。

午後は、市ヶ谷のJICA(国際協力機構)で「専門家の派遣前研修」の講師。『「図解思考」を用いた国際コミュニケーション力の向上』がテーマ。30人。28歳から58歳まで。中央省庁、自治体、国立大学法人独立行政法人、社団法人、JICAなどの所属。

赴任地は、タシケントビエンチャン、北京、カトマンズジャカルタ、ナイロビ、カンパラサヌア、ギザ、カンビア、ドドマヤウンデ、マプート、ルサカハノイ、マニラ。などの途上国。
指導分野は、人的資源開発、鉱物資源、薬物耐性、結核・トリパノソーマ症の診断開発、法・司法分野人材育成、ダム計画管理、建築政策、税関機能・情報管理、衛生、高速道路管理、洪水管理行政、地滑り・水害、、、、など、国造りの分野の多様性を改めて感じる。
全員がこの6月から8月にかけて赴任地に出発する。
「英語版にリバイズして使用してみたい」「現地(サモア)で活用します」「現地でも使用させていただきます」「自分が何をしに行くのか、何が明確になっていないかがクリアに見えてきました。英語に直して現地の自己紹介で活用したい」
終了後、昨年度受講生で現地に派遣されている人たちへの活用状況アンケートのまとめをいただいた。研修時のアンケートで前向きな発言をしていた人たちが対象。「図解思考を仕事で使ったことがある」という問いに対しては、約半分が「ある」と答えている。活用の割合は割と高い感じがする。

  • 先方政府のモニタリング評価システムに関して、こちらの理解を共有し、先方の確認を得るために図解して提示した。(ガーナ)
  • 研修や器材調達の流れをカウンターパートに説明する際に図形とフローチャートを用いた。(インドネシア
  • 視察にきた日本人に対してプロジェクトを説明する際に利用していた。(バングラデシュ)
  • プロジェクトの方向性と目標を一枚の図に集約し、カウンターパートへの説明の際には必ず用いた。訴訟手続きをフローチャートにすることを検討中。(ラオス
  • 何度か改定作業を行ううちに非常に洗練されたものになってきた。(ラオス
  • 担当プロジェクトの目指す方向性と主要な活動を盛り込んだ図を使い、複数の支援対象機関にプロジェクトの説明を行った。図一枚で話をするほうが、はるかにイメージの共有がしやすく早かった。(ラオス
  • 双方が現地の司法制度を正確かつ迅速に理解するのに非常に役立っている。(ラオス
  • 研修の構成を考える際に、教育と労働市場の関係を図解を用いて整理したが、自分自身の考えをまとめるために、「図解思考」を使った。(ヨルダン
  • プロジェクトの全体像を説明するときに用いた。(インドネシア
  • データベースにあるデータと、実際のデータを照合する際の関連性について、図解で説明したところ相手の理解が得られたように思う。(フィリピン)

今後の研修の際のヒントでは、「実際の国際協力の現場で活用された事例集やサンプル」や「図解思考のマニュアル」が欲しいとの声もあった。この点は次回以降に活かしていきたい。
途上国での国際協力の現場でどのような場面で使われているかが少し見えてきた感じがある。

夜、予約していたiPad2aがようやく入ったということなので、ケーズ電気に取りに行き、自宅で使い始める。