合田周平「中村天風と「六然訓」(PHP新書)

先日、大仏次郎賞のパーティでお会いした合田周平先生から著書が届いたので読了。
中村天風と「六然訓」(PHP新書)。思想家・中村天風(1876-1968年)の弟子である合田周平(1932年生まれ)が書いた天風論。

中村天風と「六然訓」 (PHP新書)

中村天風と「六然訓」 (PHP新書)

頭山満の書生、済々黌生を刺殺(正当防衛)、軍事探偵として「人斬り天風」、コサックの銃殺から間一髪で救出される、結核を治すためにアメリカへ、イギリスでは大女優の家に居候、帰国途中で出会ったインドのヨガ聖人に弟子入りしそのまま修行。中国で孫文の革命に参画。帰国後、銀行頭取などで活躍。43歳、感じるところあり身分と財産を処分。天風会を創設。政財界の実力者が多く入会。主治医は北里柴三郎。92歳死去。経歴を見ると実に興味深い人物だ。

六然訓:超然任天 悠然楽道 厳然自粛 藹然接人 毅然持節 泰然処難

「聴松堂語鏡」(明の崔銑著)の六然訓と少し違うが、、。
自処超然 人処藹然 有事斬然 無事澄然 得意澹然 失意泰然

以下、天風の言葉から。

  • 人生も国家の命運も、最終的には個人の根底に流れる精神力による決断力と行動力に委ねられる。
  • 陽気の発する処、金石また透る
  • 「肛門を締める」につれて両肩の力を抜き、静かに息を吐く動作から始まる。
  • ザックリと人生を捉えよ
  • 一芸とは一つの芸事のみを指すのではなく、それに打ち込むことで、「心の修行」に励み、悟りの境地に到達するという意味なのだ。