松井冬子展(横浜美術館)と細見コレクション(そごう美術館)

夕刻から横浜で仲間との飲み会の予定があったため、少し早めに出て、二つの美術館をまわった。

松井冬子とは、国立西洋美術館青柳正規館長とテレビで対談していたあの美人画家だ。
1974年生まれということは、38歳。経歴をみると、9歳でモナリザのレプリカに感動し芸術に目覚めている。22歳で、長谷川等伯に感銘を受けて日本画に向かう。24歳、東京芸大日本画科に入学。その後、修士、博士にすすんでいる。

今回の企画展は、狂気や死をまじかにした人間が放出するエネルギーに充ちた世界を表現している。
代表的な本画の作品、試行錯誤の軌跡を伝える下絵、厳密に描き込んだデッサンなどに、本展のための新作を加えた約100点が展示されている。
心地よい作品群ではないが、迫力はある。

  • 横浜駅につながっているそごう美術館。

京都細見美術館の作品。パート1は「都の遊び・王朝の美--美を愛でる、京を知る」。パート2は「琳派若冲と雅の世界」。
本阿弥光悦の書と俵屋宗達の絵、加茂社競馬図屏風、四季河原図巻、若冲の萬歳図、光琳の再来と言われた神坂雪佳らが印象に残った。

1998年に開館した細見美術館は、初代の細見良(古香庵。1901-1979年)、二代細見實(1922-2007年)、三代細見良行(1954年)が三代にわたり築いてきた細見コレクションが主軸となっている。3000点以上の美術品がある雄大なコレクション。
細見良は、尋常小学校の頃に父が事業で失敗、14歳で単身大阪に奉公に出る。15歳、毛織物業界に入り、24歳で泉大津に店を持つ。その後大々的に事業を拡大。スミレ毛織物株式会社。60歳で事業から引退し、以降古美術三昧の日々を過ごした。
二代目細見實は、琳派若冲を中心とする江戸絵画を得意とした。個人蔵の琳派若冲コレクションとしては世界有数の規模になっている。この美術館は琳派美術館の異名を持っている。
三代目細見良行は、大江匡に設計を依頼している。
この細見コレクションの最大の魅力は「楽しさ」にあるとの解説があったが、その通りだった。

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夜は横浜の「フルーヴェール」という会員制のレストランでビジネスマン時代の仲間である環、堀の両氏と会う。
先日亡くなった共通の尊敬する上司を偲ぶ会。一日一組しかとらないという贅沢なレストランで食事も絶品だった。
3時間半ほど「舟さん」のことを語り合って楽しい時間を過ごすことができた。新しい死に方の開発、、、。