「一生食べられる働き方」(村上憲郎)-日本企業も外資も同じ

完全休養日。
少し歩いて桜を愛で、少し休んで本を読む。

今日の一句  桜愛で 写真撮る人 美しき

「一生食べられる働き方」(村上憲郎・PHP新書)

一生食べられる働き方 (PHP新書)

一生食べられる働き方 (PHP新書)

多摩大のリレー講座でお会いした村上憲郎さんの自伝的仕事論。大分県佐伯鶴城高校から京大工学部。
全共闘運動の闘士であったためなかなか就職先がなく、コネで日立電子に入社し、ミニコンピュータのシステムエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、DEC人工知能技術センター長。DEC本社勤務の後帰国し、取締役。インフォミックス社長。ノーザンテレコムジャパン社長。ノーテル・ネットワーク日本法人社長。ドーセント日本法人設立。03年グーグル米国本社副社長兼日本法人社長。08年退任し名誉会長。現在は村上憲郎事務所代表。

こうやって並べてみると見事なキャリアだ。グーグル日本法人社長を長く務めたときにマスコミやインターネットの世界で話題になった。

仕事は学びの機会、現場の大切さ、会社と仕事の奥深さ、仕事の基本、勉強の連続、仕事の深堀り、顧客と業界の研究、自分の役割と仕事の意味、自分と世界との関わりを考えながら立ち向かう、。こういった考え方は優れた業績を挙げた人がかならず口にすることで全く共感する。

本人の述懐によると、運がよかったことと、大局観を持っていたこと、この二つが成功した要因である。
成功した人は誰も「運」がよかったというから、その上で大きな世界観、大局観を持ちながら目の前の仕事を徹底して追求したのがよかったのだろう。

高い視点から見る習慣、次に何が流行するかの勘、小さな持ち場と全体像の関係を問う習慣、全体を大雑把につかむ、、、、、。

私の提唱する図解コミュニケーション、図解思考はそういった視点を日常的に獲得するための方法だ。
虫の目で自分の仕事を深堀りしながら、鳥の目で世界を見晴らす。外資系企業も日本企業も仕事で成長を続ける勘所は同じだということがわかった。

さて、今後の日本についての成長戦略を村上さんはどう描いているか。

  • スマートフォンタブレット端末、デジタルTVが合流したスマートTVにあらゆるコンテンツが流れ込む時代。日本の豊富なコンテンツ資源を生かせ。マンガ、アニメ、映画などのビジュアル系コンテンツ。断片的なコンテンツを大量に作り導線を引く。それを課金するシステムをつくる。

個人の生き方へのアドバイス。

  • 可能な限りリスクテイクするという習慣をつけよ。リターンが大きい。何もしないよりはまし。リスクを取れない人は沈黙せよ。邪魔するな。
  • 会社の仕組みを学ぶ。財務諸表の読み方と会社を取り巻く法律を学ぶ。会社のつくり方と会社の終わり方。一番薄い入門書を大雑把に理解するだけでよい。