マルクス・アウレーリウス「自省録」より

マルクス・アウレーリウス(121-180)の「自省録」(神谷美恵子訳・岩波文庫)をめくってみた。
この人の治世は、哲人政治が実現したたった一つの例といわれる。大ローマ帝国の皇帝であり、同時に哲人であった人が、原題が「自分自身に」とあるように、多忙な公務の合間に自分にあてて書いたものだ。

自省録 (岩波文庫)

自省録 (岩波文庫)

  • 君の肉体がこの人生にへこたれないのに、魂のほうが先にへこたれるとは恥ずかしいことだ。
  • 宇宙の中のありとあらゆるものの繋がりと相互関係についてしばしば考えてみるがよい。
  • 君の分として与えられた環境に自己を調和せしめよ。君のなかまとして運命づけられた人間を愛せ。ただし心からであるように。
  • この世で大きな価値のあることはただ一つ、嘘つきや不正の人びとにたいしては寛大な心をいだきつつ、真実と正義の中に一生を過ごすことである。
  • 自分の内を見よ。内にこそ善の泉があり、この泉は君がたえず掘り下げさえすれば、たえず湧き出るであろう。
  • 完全な人格の特徴は、毎日をあたかもそれが自分の最後の日であるかのごとく過ごし、動揺もなく麻痺もなく偽善もないことにある。

「君」とあるのは自己に対する呼びかけであり、この書は自己との対話ともいうべきものだ。
この人の誠実で気高い倫理観には感銘を受ける。

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今日の1限のプレゼミは春田先生の三回目。

  • 現代史は、300年前の欧州発の産業革命から始まり、数十年前の米国発の情報革命につながる。
  • 産業革命は組織のマネジメントを生み、情報革命は個人の能力を飛躍的に高めた。
  • いつの時代も問題が発生し、若者がその解決に挑戦する。それは社会の進化につなっていく。
  • アインシュタインの相対性原理。3人の若者の素粒子論を50年後に技術として具体化したのが1940年のコンピュタ。1947年のベルのセミコンダクタと1948年のシャノンの情報論が今日のケータイにつながっている。
  • 農業社会は1日1ドル100円の生活、工業社会は1日10ドル1000円の生活、情報社会は1日100ドル1万円の生活。
  • 21世紀の今日、世界180カ国の内1日100ドルの生活をしているのは30カ国に過ぎない。
  • 先進国はコミュニケーション技術の革命に対処するために「教育」に力を入れている。
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2限のマネジメントデザインの授業は、新聞や雑誌の広告を材料に図解広告をつくるというテーマ。

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