選択肢の多い多様なバランスで安定的なエネルギーの確保が戦略的

リレー講座の春学期が本日をもって終了。市民受講者の全回出席者は83人という多さでびっくり。

本日は、寺島学長「21世紀 日本の進路」。

  • 発言者には責任が伴う。時代を見抜き、時代に関わってきたかが重要。
  • 気づきが大切。冷戦後の東欧ソ連を見ていて、「資本主義は本当に勝ったのか?」という疑問。
  • サブプライムリーマンショック、欧州財務危機、、。悪智恵。懲りない人々。実態資産65兆円に対し金融資産は5倍。これがマネーゲームの根源。
  • 軍需産業に7割が就職していた理工系の米国人が、。金融工学による為替変動のリスクマネジメントに走った。
  • 軍事技術の民生転換によってインターネットが生まれた。
  • プロテスタントの思想。禁欲精神。初期資本主義の精神。額に汗。天職。
  • カトリックの南欧が崩れ、プロテスタントの北欧が持ちこたえている。
  • 日本の資本主義。「論語算盤」の渋沢栄一安藤昌益から連なる系譜。
  • 国際連帯税という視座。国境を超えた取引に0.005%の課税で財源確保(200億ドル)。それを地球環境問題に使う。
  • エネルギー問題。アメリカの原子力ルネッサンス(新設4基)の主役は日本(東芝・日立・三菱)。
  • 野田総理は米国で日米原子力協力を一段と強化すると言明。しかし国内では脱原発の方向という矛盾。
  • 核の傘の抑止力というロジックは、非人道的な反撃をするというロジック。
  • 日本は原子力の平和利用技術を持ちこたえて蓄積していくべきだ。
  • 東電は永遠に賠償する会社になっていく。生かさず殺さず。人と技術が無くなってしまう。国家が表に出る覚悟が必要。
  • アメリカの再生エネルギーはとん挫している。
  • シェールガス革命。2008年に100万BDTあたり12ドルだったのが、今は2ドル台と安くなり過ぎた。
  • シェール7オイル。アメリカにツキが回ってきた。
  • エネルギーは安定が重要。選択肢の多い多様なバランスで安定的なエネルギーを確保することが戦略的だ。安定化させるのが国際貢献。再生エネルギーにすると価格は倍になる。
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「アメリカを見る眼の喪失」(週刊新潮)から

  • 民主党とは政権交代だけが目的の政治集団であった。
  • 権力の麻酔に痺れ、変革の意識さえ失い、貧弱な現実追認主義者へと変貌していった。
  • 結局、行き着いたのが森本敏氏の防衛相就任であり、悲喜劇である。思えば、イラク戦争を支持し、自衛隊イラク派遣に賛成し、米軍のあるがままの駐留を肯定し、集団的自衛権への踏み込みさえ主張しってきた人物を「安全保障の専門家」として招くに至った。「変革の意思」の完全放棄である。
  • 米軍基地の縮小と地位協定の改定を通じた国家主権の回復を実現しなければならない。これは戦後日本を終わらせる自立自尊をかけた「現代の条約改正」なのである。
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終了後はゼミ。