リレー講座:寺島実郎「2013年への展望−日本の進路」

リレー講座は寺島学長。テーマは「2013年への展望−日本の進路」。この講座も丸5年でのべ6万人が受講。

  • 年末年始:大中華圏。香港。岡寺(龍蓋寺)。シンガポール。NKクロースアップ現代。奈良飛鳥、飛鳥寺空海、大仏。ユーラシアの風。
  • 大中華圏:仮説から実体化。政治的意味。1人当たりGDP(2011年度)はシンガポール5.5万ドル超、香港3万数千ドル、台湾3万ドル超となるだろう。日本は3.7万ドルに張り付いている。もはやアジアの先頭ではない。
  • 中国の統合のキーワードは、社会主義から「中華民族」へ。
  • 17世紀オランダ論:フェルメール(宝石顔料。アフガン、東インド会社)とレンブラント(ユダヤと)。次はデカルト高等遊民)とスピノザ(ユダヤ人の息子)。科学・美術・哲学の相関という観点。
  • NHK紅白。三輪明宏のヨイトマケの歌。「今じゃ僕もエンジニア」という成功物語。
  • 就職:3年で3割が転職。ミスマッチ。IT革命による仕事の平準化。部品、回転可能な労働力。両親が障害。稼ぎが人格向上に一致するなら幸福。
  • 日本の知的セクターの劣化。大学院卒業者9.6万人中、無業者2.4万、非常勤3.0万人。ポスドクが数十万人と積みあがっている。シンクタンクソフトハウス化。金融セクターシンクタンクの圧縮。大学採用も数十倍。サイバーアタックに立ち向かう技術者も予算削減、400人の非常勤。iPs細胞の東大特任研究員の奇怪な行動、、。
  • 政権交代:阿部内閣の調整インフレ論。が、実体経済が重要。プロジェクトをしっかりつくる。総合エンジニアリング。
  • システム農業による農業生産法人。食糧自給率(39%)、バイオエネルギー、高齢者参画、二地域居住、PPK(医療費・介護費削減)、雇用(年収300-500万円)。
  • 京浜医療特区構想:先端医療、国際機関、人材育成、医療船構想。プラットフォームをつくる。
  • 日本には花はある。しかし剣山を思いつく力がない。商社、建設なども国際コンソーシアムのリーダーがいない。多国籍メンバーを率いるリーダーが不足。宗教、思想、哲学の異なる人たちをフェアに率いていく力。
  • 総選挙:民主党への失望(マニフェストとは反対の方向。第二保守化。反産業的空気)。第三極への疑心(いかがわしさ。失速。地方分権の維新と国権主義者石原との野合)。それが相対的にましな自民党になった。景気期待があり原子力は論点ではなかった。
  • 政治人:代議制度の鍛え直し。代議者の削減(米の3倍)。1人2億円。政治でメシが食える(世襲)のはまずい。民主党マニフェスト120人削減が、80人、40人、最後は0増5減。人口減もあり議員は半減すべきだ。
  • 文化人:スポーツ、芸能、宗教。反原発運動。経済あっての文化という面。思いあがってはいけない。
  • 経済、政治、文化の相関の中で考えていかなければならない。
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ヨイトマケの歌

【作詞】丸山明宏
【作曲】丸山明宏

父ちゃんのためなら エンヤコラ
母ちゃんのためなら エンヤコラ
もひとつおまけに  エンヤコラ

1.今も聞こえる ヨイトマケの唄
  今も聞こえる あの子守唄
  工事現場の昼休み
  たばこふかして 目を閉じりゃ
  聞こえてくるよ あの唄が
  働く土方の あの唄が
  貧しい土方の あの唄が

2.子供の頃に小学校で
  ヨイトマケの子供 きたない子供と
  いじめぬかれて はやされて
  くやし涙に暮れながら
  泣いて帰った道すがら
  母ちゃんの働くとこを見た
  母ちゃんの働くとこを見た

3.姉さんかぶりで 泥にまみれて
  日にやけながら 汗を流して
  男に混じって ツナを引き
  天に向かって 声をあげて
  力の限り 唄ってた
  母ちゃんの働くとこを見た
  母ちゃんの働くとこを見た

4.なぐさめてもらおう 抱いてもらおうと
  息をはずませ 帰ってはきたが
  母ちゃんの姿 見たときに
  泣いた涙も忘れ果て
  帰って行ったよ 学校へ
  勉強するよと言いながら
  勉強するよと言いながら

5.あれから何年経ったことだろう
  高校も出たし大学も出た
  今じゃ機械の世の中で
  おまけに僕はエンジニア
  苦労苦労で死んでった
  母ちゃん見てくれ この姿
  母ちゃん見てくれ この姿

6.何度か僕もぐれかけたけど
  やくざな道は踏まずに済んだ
  どんなきれいな唄よりも
  どんなきれいな声よりも
  僕を励ましなぐさめた
  母ちゃんの唄こそ 世界一
  母ちゃんの唄こそ 世界一

今も聞こえる ヨイトマケの唄
今も聞こえる あの子守唄
父ちゃんのためなら エンヤコラ
子どものためなら エンヤコラ