日米中トライアングル時代には卓越したバランス感覚で--寺島実郎

GIN総研・寺島セミナー。丸の内の日本興業倶楽部。

  • 人間とは何だ? ヒトゲノムの解析。1.2%。環境適応生物。進化。500万年前にチンパンジーから分かれた。
  • 人間に進歩はあったか? 1911年に発見。5300年前の人。食生活。医学。
  • 近代とは何か? 17世紀オランダ論。発見の連続。今を深めるために日本近代史を学ぶ。
  • 日本の状況? エコノミックアニマル再び。プチ・ナショナリズム症候群。株高は外人投資家の売り越し(3月末まで5.7兆円・4月12日までで2.2兆円で計7.9兆円)。それにつれて個人投家が動く。しかし機関投資家は動いていない。外人投資は売りやすい流動性大型株(一部上場のトヨタ・不動産など)に向かっている。売り抜く資本主義。
  • 外人投資家の投資余力は10兆から15兆円。10兆なら株は1万5千円。15兆なら1万7千円。外人投資家の売りのタイミングはいつか?その時フォロワーの個人投資家はどうするか? 7月の参院選まで注視。
  • アベノミクス。昨年10月から今までの5か月でモノの価格は? 素材18%アップ、中間材2.8%、最終消費材2.0%アップ。再び川上インフレ、川下デフレが進行。資産家と企業経営者は喜んでいる。
  • 勤労者家計(可処分所得)はここ10年で年間60万以上の減少だった。年収200万以下の労働者は34%に上っている。中間層意識は崩壊。
  • 産業間移動。製造業はマイナス250万人、建設業はマイナス145万人で計400万人。この人々が転移しサービス業はプラス415万人。雇用は維持されているが、給与・条件が悪い。120万円から145万円低い。チープジョブが増えている。介護、運転手、、。規制緩和といって首切りが地涌にできるという流れになってきている。西武鉄道サーベラスの件は売り抜く資本主義、マネーゲーム
  • 秋には、株高は何だったのかということに「なるだろう。
  • 大中華圏。この8年で仮説段階から、実体化した。政治化した。
  • アメリカ。米中戦争など願い下げだ。抱き着き心中は困る。日本のイスラエル化の懸念。日米安保で飯を食っているジャパンハンドの連中(アーミテージなど)は尖閣問題が起こると沈黙。ウェブ上院議員などが、あいまい作戦を問題視し議会で日米安保を重視し領土問題に踏み込めといってくれた。日本には米中対立的世界観があるが、実は米中間のコミュニケーションのパイプは太い。アメリカにとっては日本も中国も大事ということだ。
  • 4.28の独立60周年式典はどうなるか。日本は占領政策、サンフランシスコ平和条約東京裁判を否定する気かという疑心暗鬼。占領時のままのステイタスではないかという沖縄の目。硫黄島への訪問、憲法改正参院選の焦点という安倍発言など。
  • 日米中トライアングルの時代には、卓越したバランス感覚で向き合わねばならない。


終了後のパーティでは、檜野さん、渡辺さん、田村常務、北里大の平野さんらと歓談。

帰宅後、報道ステーションエコノミストの浜女史がアベノミクスを詐欺まがいと痛烈に批判していた。