山内太地「大学のウソ 偏差値60以上の大学はいらない」

今日の収穫。

  • 西洋が恐ろしいのは、雷をきいても耳をふさぐことを第一の悪、と考えることです。(渡辺崋山
  • 西洋人も人なり、佐賀人も人なり、薩摩人も人なり、くじけずに研究せよ(島津斉彬
  • 諫言は一番槍にまさる(徳川家康
  • 仏のうそを方便といい、武士のうそを武略という(明智光秀
  • どうも広い川だねえ、さぞ大きな鯰がいるだろう(頭山満
  • やってみなはれ、やらなわからしませんで(鳥井信治郎
  • 飛耳長目(吉田松陰
  • ヨーロッパ人は国境をなくすことに全力を傾けなくてはならない(クーデンホフ・カレルギー伯)
  • 百発百中の一発、よく百発一中の敵砲百門に対抗しうる(東郷平八郎
  • 小心でなくては大事はできない(川路聖あきら)
  • たとえ私の門人でも、その後いい考えが出てきたら、私の説を批判しながらその考えを広めなさい(本居宣長
  • 書を読まば最上の書を、師を択ばば第一流の人を(落合直文
  • 気は長く、心は広く、色薄く、勤めは固く身をば持つべし(勝小吉)
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山内大地「大学のウソ 偏差値60以上の大学はいらない」(角川ONEテーマ21)を読了。
山内さんは47都道府県、14カ国・3地域の880大学の1170キャンパスを実際に訪問し、日本国内の4年生大学783校をすべて見ているという人物。そのエネルギーである志は「理想の大学の探求」だ。だから話が熱く、かつ具体的で説得力がある。

日本のトップ層といわれる大学は、まともな教育をしていない。このような教育ではグローバル競争には勝てない。
以上の問題意識を土台に、具体的な提言がされている。

  • 世界は富国強兵の競争。現代の強兵は、グローバル人材。多国籍企業で勝ち残れる人材。
  • 日本のトップ層の学力の高校生は海外名門大学に行くべきだ。エリート受験生は米国トップ大学を選択肢に入れろ
  • 彼らが抜けた分は中間層が日本の名門大学にいけばいい。そしてフィリピン英語留学でグローバル化に対応せよ。
  • 中堅大学は、教育機関としてはそろそろ完成に向かっている。
  • 学生寮。ライティングセンター。サバティカルクオータ。
  • フィリピン(学費は年間35万、寮費月2.2万。食費月4万。TOEIC500-600が欲しい)。日本から4時間。
  • アジア留学を考えよ。シンガポール。マレーシア。インドネシア。中国海南島

山内さんの主張は、偏差値の高い受験生を集める日本のマンモス私立大学は、完成に向かっている中堅大学の教育ノウハウを学べということになる。

偏差値の高いトップ大学とマンモス私学を断罪した書。参考になった。