飯島勲「政治の急所」(文春新書)を読了。
- 作者: 飯島勲
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/01/20
- メディア: 新書
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2006年に出た「小泉官邸秘録」(飯島勲・日本経済新聞社)を読んだことがある。5年5ヶ月という歴史的な長期政権だった小泉政権の首席総理秘書官の回顧録だ。
その本の中では、「総論でタガをはめ、大臣を押さえ、官僚組織のトップを押さえることで各論での「骨抜き」「逃げ」を許さない」やり方で政策を推進したというところが印象に残っている。
今は安倍政権の参与という立場。こういう玄人が官邸にいるのは心強い。
この本でも政治のカンドコロ、急所を押さえているので、読み応えがある。
今後の政局を占う発言をみてみよう。
- 実務の頂点の官房長官は危険だから、強くなってきたらすぐさま代えるべきだ。
- 東京五輪のトップはトヨタ自動車の豊田章男社長がベスト。
- 日本に在日米軍基地はいらない。地上軍を送る前にミサイル攻撃になるから基地を置く必要は薄い。
- 維新の会は東京と大阪に分裂する。
- 安倍政権は長期政権になる。
- 日朝間の実務者協議は終わっている。米朝が進めば時間はかからない。横田めぐみさんと有本恵子さんは生きている。
- 日露関係は、1855年の択捉島とウルップ島の間に国境線を引いた日露通交条約に戻る。返還の前に四島が日本固有の領土だという帰属の確認をとる。これで100点満点。
- 習近平体勢になって、中国最高指導部から靖国に行くなという発言は出ていない。だから大丈夫。
- 韓国との関係は心配ない。製品の6割の部品は日本製。放っておけば向こうから頭を下げてくる。
- アメリカの次期大統領はヒラリー・クリントン。
- 時代に流れは多党化。
- 日本が抱える諸問題は2020年頃に一気に顕在化してくる。
- 政治家の仕事は、決断すること、その決断に責任を持つこと。官僚に目標を示すこと。