司馬遼太郎の初期短編小説集「ペルシャの幻術師」

司馬遼太郎がこのペンネームで最初に書いた短編小説「ペルシャの幻術師」を読んだ。

ペルシャの幻術師 (文春文庫)

ペルシャの幻術師 (文春文庫)

昭和31年の講談社倶楽部賞の受賞作品。
蒙古のフラグの第四子ボルトルと幻術師アッサムと王女ナンの幻想的な物語。
この蒙古軍のなかに「バートル」という武将がでてくる。

次に書いた「伐壁(ゴビ)の匈奴」という短編も読んだ。
鉄木真(テムジン)、後のチンギスハンの物語。チンギスとは強大を意味する異称。

蒙古人は、性欲と好戦欲と略奪欲の激しい民族。ゴビ砂漠を20日間の日数で越える。6日間の絶食に耐える得意な胃袋。一昼夜騎走千キロ以上。わずか400万人。名はあるが姓はない。

最初の作品を選考委員として受賞作として強く押した海音寺潮五郎は、二作目は選考委員であった直木賞の受賞作になると確信したが、舞台と主人公が日本と日本人でなく好まれないと考え推薦を見送っった。
海音寺潮五郎が、司馬遼太郎の発見者だった。

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今日の収穫。
「現状維持は後退である」(ディズニー)