「スコールの夜」(芦崎笙)を読了。第5回日経小説大賞受賞作品。著者は50代の財務省大臣官房参事官。
- 作者: 芦崎笙
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2014/02/18
- メディア: 単行本
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「平成元年に東大法学部を卒業、都市銀行トップの帝都銀行に女性総合職一期生として入行した吉沢環が女性初の本店管理職に抜擢された。担当任務は、総会屋・暴力団への利益供与や不祥事隠しの役割を担ってきた子会社の解体と退職勧奨の陣頭指揮。保守的な企業風土による女性への偏見や差別に耐えての昇進を意気に感じ、荒療治に乗り出すが、周囲の感情的な反発を招き、経営幹部の派閥抗争に巻き込まれていく―。」
女性主人公が銀行入行後20年の40代に入り、「綺麗事ではすまない厳しい現実に叱咤されるかのように、もう一度自分の属する組織において死物狂いで働いて見ようと思い始めていた。」というところで、この小説は終わる。
企業は人生の学校である、と改めて思う。
矛盾と葛藤しながら、組織と折り合いをつけながら戦っていく道程が仕事の歴史だ。その道程がキャリアである。この著者の官僚も、毎日そういう状況の中で歯を食いしばりながら、組織と自分の間合いを測りながら仕事をしていると思う。困難な仕事に立ち向かおうという宣言だろう。
読後には、組織と個人の折り合い、仕事の意味、正義感、人事、役職、、、こういうテーマで企業小説を書いてみたいと思った。
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30年前からの知り合いのD出版のT編集者と食事の約束。
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今日の収穫
仕事が人を育て、人が仕事をひらく(柵山正樹・三菱電機社長)
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今日も、よく歩いた。
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