ファーブル昆虫館。東洋文庫。

午後は時間が空いていたので、文京区へ。

  • 前回、休館日で見れなかった「虫の詩人・ファーブル昆虫館」。奥本大三郎さんが館長だった。


ファーブルや「昆虫記」を愛する人々の気持ちが集まってできた施設。ファーブルは博物学の巨人、昆虫の詩人と呼ばれる。
この人は他の研究者の学説の引用はしないで、自分の目で見て確かめたことだけを書いた人だ。障害で70冊余の著作がある。
一階が展示室、地下が両親と弟と住んだ南ふフランスのファーブルの生家を模している。2階が標本収蔵庫、3階は集会室、4回は研究室、屋上というつくり。虫ともだちの写真があり、奥本館長と養老孟司先生らの楽しそうな姿が写っている。
NPO法人日本アンリ・ファーブル協会が運営している。こNPOはファーブル検定も主催している。

白山の東洋大学にある博物館を訪ねたが閉まっていた。
この大学は哲学者の井上円了の創立。円了は東洋大学の前身の私学哲学館を29歳で創。全国各地で寄付金集めの講演会を催しライフワークとした。民衆が学ぶことの大切さに目を開かれた。61歳で亡くなるまで講演行脚を続けている。社会人教育の先駆けだった。「全国巡講」の演題は、哲学、修身、宗教、教育、実業など多彩だった。国内2831カ所で計5291回の講演記録が残っている。
キャンパスの建物群の前に塩川正十郎氏の銅像があった。小泉政権で「塩爺」と呼ばれた塩川氏は、この大学の中興の祖らしい。文部大臣を辞した後、東洋大学理事長、総長として、平成元年に白山キャンパス再開発事業を決定し、平成17年に文系五学部の白山キャンパスを完成させている。平成24年は125周年。

日本最古、かつ最大の東洋学専門図書館・研究機関。三菱三代目の岩崎久弥の寄付を中心として発展した施設。1924年創設で今年は90周年。
東洋学とは、日本を含めたアジア・アフリカが対象の歴史学など諸学問分野の総称である。つまり西洋世界以外の地域が対象であり、西洋人の目から見た分類ということだ。
現在、100万冊で質量ともに東洋学に関しては国内最高の機関。800の言語の書物、一次史料が豊富、そして3割が洋書。
大英図書館、フランス国立図書館、ハーバード燕京研究所、ロシア科学アカデミーなどと並んで東洋学では世界の5指に数えられる。

一次資料として展示してあった「新井白石自筆文書」の「仏教」とういう書をみた。「欽明天皇13年冬12月百済聖明王、、、」と仏教伝来のことを漢文で書いている文書だった。
「広開土王碑拓本」をみると、この高句麗19代の王の業績を讃えているが、「倭」という文字があり、百済新羅を破ったとある。

この東洋文庫は、岩崎久弥の個人文庫3.8万冊と、モリソン文庫2.4万冊が基礎になって出発している。
モリソン文庫を見学。モリソン文庫はオーストラリア人のアーネスト・モリソン(1862-1920年)というロンドンタイムスの北京特派員が20年にわたって集め2.4万冊を当時3.5万ポンドで岩崎久弥が買い取ったものである。1845年にでたマルコポーロの東方見聞録、遼東遊記東インド航海記、東方旅行記、伊達政宗遣使録、ロビンソンクルーソー漂流記、ペリー提督日本遠征記、日本奥地紀行(イザベラバード)、、などがみれる。

当日は「仏教--アジアをつなぐダイナミズム」という企画展が開催中だった。
戒律がきびしい上座仏教南伝仏教)。
大乗仏教:大衆に広める仏教。自らも他人も救済する仏教。慈悲、利他の精神。ブッダの前世である菩薩と自らを重ねブッダと同じ道を歩む。
チベット仏教:インドから直接。独自の発展。死者の書。川口彗海像。