那須高原の影絵の「藤城清治美術館」

那須高原に昨年オープンした影絵の藤城清治美術館を訪問。
以下、メモから。

那須高原にぼくの美術館ができる。それは若い頃から、ずっと持ち続けていた夢だった。その夢が夢でなく、ほんとに実現して、こんなうれしいことはない」

素晴らしい美術館で、おそらく那須リゾートの名物となっていくだろう。

1924年生まれの影絵画家は、今年89歳。
「ぼくも今年で90歳になる。今の僕なら、賢治童話と四つに組んでも真正面から勝負できるような気がした。「風の又三郎」に全身全霊を打ち込んで作れば、いままでにない、新しい影絵作品が出来るかもしれない」と取り組んでいる。

師の一人である「暮しの手帖」の花森安治から「影絵は、光と影、自然と人間、絵画とカメラなどのコロアボによる新しい時代ん美術」だといわれ、舞台を与えられる。

宮沢賢治の世界。
「ぼくの影絵は賢治童話の中で触発され、進化していった」

天地創造」に11年かけた。
「光と影による聖書画こそ、今日にふさわしい聖書画であり、歴史的に見ても影絵は聖書画に最も適した技法であると信じたからです」

「僕の影絵はモノクロの時代に培った構成や細密さ、形にあくまでもこだわりますから、カチッとした電気の光源で照らしたほうが活きる。そこへ光の色を重ねるわけです」

「影絵は、光と影の祈りの芸術」

影絵という武器で何でも表現していく。童話、神話、自然、寺院、聖書、震災、、、。

影絵というキーワードで進化と深化を重ねていく姿に感銘を受ける。
表現者は、自分独自の武器で世界と歴史、そして生命と宇宙を表現しようとする、と改めて思った。

1996年、長野県白樺湖に影絵美術館。1998年、北海道生田厚町に影絵美術館。

仕事を続けるために、毎日2時間の散歩を課している。自宅から駒沢オリンピック公園まで往復1時間半。一周30分。

そこで一句。
 はだか木も 影絵のごとき 美術館(吐鳳)