熊代亨「『若作りうつ』社会」(講談社現代新書)を読了。
- 作者: 熊代亨
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/02/19
- メディア: 新書
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- 世の中はどこもかしこも若さ志向になってきた。
- 年長者のアドバンテージが減ってきた。IT時代の到来による「使えない年長者」と家事の自動化による「おばあちゃんの知恵袋」の役割の希薄化。
- 戦後世代は親の世代はロールモデルではなくなった。民主社会のシニアモデルは世界でも欠落。
- 成人、厄年、還暦などの通過儀礼は地域社会の中で意味があったが、現代の生活環境では機能しなくなった。
- 人生の始めと終わりが病院になった。生や死が意識されなくなった。
- 死や病の淵にある人に寄り添うべき医師は、病の克服に役割がシフトしてきた。
- 年のとり方がわからない社会ができあがった。
- 生物学的加齢と社会加齢のバランスが崩れやすく「若作りうつ」と背中合わせの社会になった。
- ポケモン、ハオローキティ、アニメ、漫画などのクールジャパンは、換骨奪胎されたアニミズムの産物。日本は未熟社会の先頭を走っている。
- 職業や居住地が自由になり、「私はこういう人間である」というアイデンティティが決まらなくなった。
- 父親不在と緊密な母子関係による過干渉な家庭(母親的規範意識による抑圧)
で育って、積極性や自己主張を培うコミュニケーション体験は不足している。
- 持てるもの同士の強いつながりと、持てないもの同士は連帯できず、孤独の度をふかめていく。
- 社会的加齢を進めるための、年長者と年少者が接点を持つ機会がなくなった。
- 「若作りうつ」社会や「個人の自己実現」人生とう社会は、「年功序列」人生や「家や国のための人生」と同じくおかしい。「老いることも人士」であり、「後進の成長も喜び」であるはずだ。
どのように年をとるべきか、その提言。
- 年をとるごとに少しづつ、自分の年齢感覚やライフスタイルをずらしていく心持ちをもっておきたい。
- 単一解を規範とするのではなく、誰の何を足し、誰の何を引いいていくのかを考えていくと理想像がみえてくるはずだ。
- 身近な年長者・年少者とのコミュニケーションを大切にし、学びあっていくことがいちばん有効な処方箋かもしれない。世代間コミュニケーションを大切にする人を少しでも増やすと、社会全体の年のとり方も変わってくる。世代間コミュニケーションに希望や可能性がある。
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