「ウクライナ危機が炙りだした日本外交のジレンマ」
(寺島実郎の「世界」での連載5月号から)
- 極東ロシアのウクライナ人の集積:極東への農業開拓移民。ロシア革命に対する王党派の「白系ロシア」のシベリア送り。大鵬の父はウクライナ人。
- ウクライナのユダヤ。「屋根の上のバオイオリン弾き」はウクライナのユダヤ人の物語。キエフ工科大の宇宙開発・原子力。チェルノブイリはウクライナ。
- プーチンは、クリミヤ半島の分離とロシアへの編入。そして租借地である黒海艦隊の基地セバストポリの確保で制海権を保持。
- 米国:直接的軍事介入には慎重。キッシンジャー論文「フィンランド方式。独立を維持しつつロシアとの敵対を避け、かつ西側との協力関係を維持」というあいまいな大人の知恵。
- 安倍外交のジレンマ:エネルギーと北方領土問題。集団的自衛権はロシアを想定せざるを得なくなる。世界の潮流は自主自立。自衛権は他国に預託すべきではない。尖閣問題への影響:中国はどう見るか。アンジェラ在日米軍司令官「米軍は直接介入はしない」。米国はあいまい作戦。
- 近隣との協調と相互信頼を基礎にした自立自尊の構想。柔軟で懸命な進路選択。