久恒啓一著・河合敦監修「日本一わかりやすい 図解日本史」(PHP)

久恒啓一著・河合敦監修「日本一わかりやすい 図解日本史」(PHP研究所)の見本が届いた。
251ページ。本体価格1600円。4月22日発刊。デザインもよくいい本になった。

日本一わかりやすい図解日本史

日本一わかりやすい図解日本史

オビ
 「歴史の『流れ』と『要点』がひと目でパッと頭に入る!」
 「図解のプロだから書けた今までになかった日本史の教科書」
 「オール図解、だからわかりやすい!」
トビラ
 「事件、文化、政治から外国との関係まで、主要なテーマを完全網羅。今まで気づかなかった歴史の動きが「久恒式図解」でみえてくる!!」

第1章 古代国家の誕生:縄文-弥生-古墳-飛鳥-奈良-平安
第2章 武士政権の時代:鎌倉-室町-戦国
第3章 戦国動乱と幕藩体制:安土-桃山-江戸
第4章 近代日本の光と影:明治-大正-昭和(太平洋戦争)
第5章 経済大国への道:昭和(戦後)-平成

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まえがき

 「日本の歴史」については、小学校、中学校、高等学校、大学と、学校教育の中で長い時間をかけて学んできましたし、それなりに試験も受けてきました。
また歴史小説やノンフィクションなど歴史に関する書物も、数多く手にとってきた記憶があります。
その結果、歴史上の事件に関する年号や断片的知識、そして歴史上の人物の残したエピソードや珠玉の名言もそれなりに知っているつもりです。
 しかし、残念ながら日本の歴史を確かに掴んだという実感は、今もってありません。
それはなぜでしょうか。それは文章中心の教科書や書籍に親しんできたからではないでしょうか。
 私は文章中心の「虫の目」型のコミュニケーションに対し、「鳥の目」型のコミュニケーションである「図解」という考え方と方法論をもって、さまざまの対象をわかりやすく理解するという分野に挑んできた者です。
 「全体の構造と部分同士の関係」を表現できる図解を用いて、今まで日本の白書、世界の名著、資本論ドラッカーなどの思想、人生戦略、そして多くのビジネスシーンや組織改革、地域活性化など現場に切り込んできました。
 さて、教養のある人とは、毎日いかに生きるべきかを問い続けている人であるという定義があります。その前提は、生きている時代に対する地理的・空間的理解と足元の地盤の歴史的・時間的理解でしょう。
つまり今の日本と日本を取り巻く世界情勢(アジア・ユーラシアダイナミズム)についての理解が必要であり、また自らの拠って立つ自国の歴史についての理解が求められるのです。
 自分自身のために日本の歴史を、私の武器である図解を用いて理解し説明してみたいと考え、1年ほどの時間を使って完成したのが本書です。「図解」と銘打った類書と違う点は、歴史の流れやテーマごとの全体を丸ごと図解している点です。
その作業をようやく終えた今、縄文文化の時代から21世紀までの日本の通史を自分なりに一望できた感があります。
 日本という国は、国内だけで完結しているのではありません。
常に中国大陸と朝鮮半島の政治情勢の変動と、それによる緊張がそのまま内部の統一や政権のあり方に大きな影響を及ぼしてき
時には逆の動もあり、特に近代以降は日本の動きが大陸と半島に深い影響を及ぼしてきました。
そして、数千年にわたって東アジア地域は一つの世界を構成していることがよくわかりました。
 一つのテーマを追って仕事をすると、地平線上に次のテーマが見えてきます。私自身が次に取り組むべきテーマも浮上してきました。
 最後に、図版の完成に力を貸していただいた岩澤仁子さんと、このテーマに一緒に取り組んでいただいたPHPエディターズ・グループの鈴木隆さんという、二人の戦友に御礼を申し上げたいと思います。 
またこのチャンレンジに監修者としてご協力いただいた河合敦先生にも感謝の言葉を捧げたいと思います。