近松門左衛門「国姓爺合戦」をkindle paper whiteで読了

近松門左衛門「国姓爺合戦」をkindle paper whiteで読了。

近松門左衛門(1653-1724年)は生涯で浄瑠璃・歌舞伎を150作ほど書いている。
井原西鶴松尾芭蕉とともに、元禄の三大文豪と呼ばれている。
越前に生まれ。初めは浄瑠璃、後に歌舞伎の作に筆を染める。
元禄年間に多くの坂田藤十郎出演作に関わった。そして竹本座に専属作者として迎えられた。

300年前の観客という近松の同時代人に向けて書いたなぐさみである。
近松は「年来作りだせる浄るり百余番。其内あたりあたらぬありといえとも。素読するに何れかしきはなし」と言っている。
読んで悪くはなくても芝居として当たるとは限らない。近松は読むのではなく、聴くものである。

父のと鄭芝竜と医者の田川七左衛門の娘マツの間に生まれたのが福松。それが後の鄭成功(1624-1662年)。福松は一人福建へ。後にマツも海を渡る。1646年清軍南下、マツは自殺。母の仇を打つ17年間。こういう日中のはざまで活躍した台湾の英雄・鄭成功の波乱の人生を下敷きにしたのが国姓爺合戦である。鄭成功の没後30年ほど後に生まれた近松はこの英雄を主人公にした。それがこういう経緯を知る当時の人々に受けたのである。