「自分でつくるセーフティネット」--SNSは安全保障の武器

佐々木俊尚さんの新著「自分でつくるセーフティネット」(大和書房)を読了。

自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~

自分でつくるセーフティネット~生存戦略としてのIT入門~

FacebookなどのSNSは「人間関係を気軽に維持していくための道具」であり、「自分という人間の信頼を保証してくれる道具」である。
すべて丸見えの「総透明社会」になっているから、全部見えてしまう。丸裸のメディアだ。

過去の蓄積が、その人の人間性を雄弁に語ってくれる。
社会的な肩書きで判断されるのではなく、人間としての生き方や内容が中身が丸見えになっており、それで判断される時代になった。

初めての人もフェイスブックを見たりブログをみれば、出自や仕事歴や日々の生活を知ることができる。
だから人に対する信頼できるか否かは今までよりはるかに判断しやすくなってくる。
シェアハウスなどのブームにもこのSNSが一役買っている。どのような人かは、その人のSNSをみればわかることになる。
また、クラウトなどのランクをみればSNS社会での存在感のレベルもわかる。
日々のSNSの蓄積は、名刺以上の履歴書的な証明書になっているということだろう。

時代と向き合うためには、価値のあることを書き続け、表現することで、信頼のレベルを常時高めていかねばならないのだろう。

このSNS社会に参加していなくても生きてはいけるが、いつの間にか信頼を失い、黙殺され、存在しないことになっていくだろう。

ソーシャルメディアは、「人間関係と信頼保障」の道具である。
つまり生存のための安全保障の武器なのだ。