本日のリレー講座の講師は東京財団上席研究員の渡部恒雄先生。
テーマは「オバマ政権の撤退戦略と国際秩序の危機」。
オバマ外交の現状
- 求心力低下は短期的要因による。長期にはシェールガス・オイル革命などウラス要因が多く、圧倒的な軍事優位は当面揺るがない。指導的立場と軍事力の限界っも。「最強のハンマーを持つが、すべての地域の釘を打ちはしない」。2020年までに4870億ドルの軍事費削減、年間500億ドルの軍事費強制削減。なかなか介入はできなくなっている。
- オバマ大統領は力を失ったのか:オバマケア(医療保険改革)への保守派の反発。人間関係づくりに失敗。国際政治の現実への理解が曇っている。
- ポストオバマの動き:レーガン大統領のコミュニケーション能力。力の要素を重視するリアル・ポリティクスへの理解。民主党はヒラリー。共和党は本命は見えない。
ウクライナ情勢。
パレスチナ情勢。
- 6月末にイスラエル人少年3人が他殺死体で発見。ハマスの犯行としイスラエルは報復。ロケット弾攻撃、地上戦、、・。ガザでは死者は1049人、負傷者6000人超。避難者16万人。イスラエルの死者は兵士43人、市民3人。
- 8月26日、イスラエルとハマスが停戦合意。
イスラム国(IS)。
- ISIS(シリア・イラクのイスラム国)がイラク領内に進攻。」6月29日イスラム国家樹立宣言(IS)。イラクのマリキ政権はイランに軍事支援要請、イランのロウハニ大統領は支援表明。アメリカはISに空爆。イラクは穏健なアバディー新政権。8月19日米国人ジャーナリスト殺害映像。有志連合は日本を含む57カ国に。9月22日有志連合の空爆(サウジ、UAE,ヨルダン、バーレーン参加)。9月11日アラブ10か国が米国の軍事作戦に協力を表明、トルコは慎重(声明に不参加。トルコ基地の仕様を拒否)。米国の地上軍派遣の可能性。
オバマの対中国政策。
- 中国は米中関係を「新型大国関係」(介入しない)と提案。盟国は二つの重要な二国間関係の一つとして一緒に努力との考え。
- 1972年から封じ込めパラダイムから関与パラダイムへ転換。関与(外交チャネル)・バランス(勢力均衡)・ヘッジ(軍事同盟)。安倍政権が集団的自衛権行使を容認するれば日米協力が進展。日本はアジアで安保に積極的に関わる基盤ができる」日米ガイドラインの再設定で自衛隊の役割拡大を検討。
11月4日のアメリカの中間選挙。