渡部恒雄「オバマ政権の撤退戦略と国際秩序の危機」

本日のリレー講座の講師は東京財団上席研究員の渡部恒雄先生。
テーマは「オバマ政権の撤退戦略と国際秩序の危機」。

オバマ外交の現状

  • 求心力低下は短期的要因による。長期にはシェールガス・オイル革命などウラス要因が多く、圧倒的な軍事優位は当面揺るがない。指導的立場と軍事力の限界っも。「最強のハンマーを持つが、すべての地域の釘を打ちはしない」。2020年までに4870億ドルの軍事費削減、年間500億ドルの軍事費強制削減。なかなか介入はできなくなっている。
  • オバマ大統領は力を失ったのか:オバマケア(医療保険改革)への保守派の反発。人間関係づくりに失敗。国際政治の現実への理解が曇っている。
  • ポストオバマの動き:レーガン大統領のコミュニケーション能力。力の要素を重視するリアル・ポリティクスへの理解。民主党はヒラリー。共和党は本命は見えない。

ウクライナ情勢。

パレスチナ情勢。

イスラム国(IS)。

  • ISIS(シリア・イラクイスラム国)がイラク領内に進攻。」6月29日イスラム国家樹立宣言(IS)。イラクのマリキ政権はイランに軍事支援要請、イランのロウハニ大統領は支援表明。アメリカはISに空爆イラクは穏健なアバディー新政権。8月19日米国人ジャーナリスト殺害映像。有志連合は日本を含む57カ国に。9月22日有志連合の空爆(サウジ、UAE,ヨルダンバーレーン参加)。9月11日アラブ10か国が米国の軍事作戦に協力を表明、トルコは慎重(声明に不参加。トルコ基地の仕様を拒否)。米国の地上軍派遣の可能性。

オバマの対中国政策。

  • 中国は米中関係を「新型大国関係」(介入しない)と提案。盟国は二つの重要な二国間関係の一つとして一緒に努力との考え。
  • 1972年から封じ込めパラダイムから関与パラダイムへ転換。関与(外交チャネル)・バランス(勢力均衡)・ヘッジ(軍事同盟)。安倍政権が集団的自衛権行使を容認するれば日米協力が進展。日本はアジアで安保に積極的に関わる基盤ができる」日米ガイドラインの再設定で自衛隊の役割拡大を検討。

11月4日のアメリカの中間選挙